いしづち完全ガイド|高松〜松山の停車駅・8000系/8600系・宇多津でしおかぜと手を組む予讃線特急の乗り方
💡 まずはここだけ!3つの要点
- いしづちは、高松〜松山を予讃線で結ぶJR四国の特急。日中はおおむね1時間に1本前後、高松〜松山はおおよそ2時間半前後が目安
- 多くの列車は宇多津(一部は多度津)で岡山発のしおかぜと連結し、松山まで1本の列車として走る。高松へ戻る上りは号車を間違えないのが大切
- 列車名の由来は西日本でいちばん高い山・石鎚山。そのふもとの伊予西条には、新幹線ゆかりの四国鉄道文化館もある
高松駅のホームで松山行きの特急を待っていると、入ってくるのは意外なほど短い編成です。この列車が、20分ほど走った先の宇多津で、岡山から瀬戸大橋を渡ってきた仲間と手を組み、長い1本の特急になって愛媛へ向かいます。 それがいしづちです。香川県の高松と愛媛県の松山を予讃線(よさんせん)で結ぶJR四国の特急で、同じ区間の大部分を岡山発のしおかぜと一緒に走ります。 この記事では、いしづちの運行区間と運行イメージ、しおかぜとの連結のしくみと乗るときの注意、8000系・8600系の車両、停車駅、予約のコツから、石鎚山・四国鉄道文化館・道後温泉をめぐる旅のプランまで解説します。
いしづちとは — 高松から出発する、もう1本の松山行き
予讃線は、高松から瀬戸内海に沿って愛媛へ向かい、松山を経て宇和島まで続く、四国の西側の背骨となる路線です。この予讃線で高松〜松山を結ぶ特急が、いしづちです。 本州から松山へ向かう人には岡山発のしおかぜがおなじみですが、香川県内から愛媛へ向かう人、あるいは高松に泊まってから松山へ移る旅行者にとっては、高松を出発点とするいしづちが主役になります。
列車名の由来は、愛媛県にそびえる石鎚山(いしづちさん)。標高1,982mで、西日本でいちばん高い山として知られ、古くから山岳信仰の霊山として親しまれてきました。いしづちが停まる伊予西条は、その石鎚山の玄関口にあたる町です。西日本の頂の名をもつ特急が、実は途中から別の列車と連結して「後ろの数両」として走る——そんな少しおもしろい立ち位置が、いしづちという列車の個性になっています。
宇多津で「合体」— しおかぜとの連結のしくみ
いしづちのいちばんの特徴が、しおかぜとの連結(併結)です。岡山発のしおかぜは瀬戸大橋を渡って四国に入り、高松発のいしづちは高松から予讃線を西へ進みます。2つの列車は宇多津(列車によっては多度津)で合流して1本につながり、そこから松山までは同じ号数のしおかぜといしづちが連結した1本の列車として走ります。
上り(松山 → 高松)はその逆で、松山を出た連結列車が宇多津(または多度津)で切り離され、前後に分かれてそれぞれ岡山と高松へ向かいます。時刻表で「しおかぜ8号・いしづち8号」のように同じ号数が並んでいたら、それは連結して走るペアの列車だと考えてよいでしょう。
一方で、早朝や夜間を中心に、しおかぜと連結せずいしづちだけで走る列車もあり、こちらは100番台の号数(101号など)が付くのが目印です。また、多客期などには、連結を行わず宇多津・多度津で乗り換えが必要になる列車が設定されることもあります。乗る列車が決まったら、公式の時刻表・列車案内で扱いを確認しておくと安心です。
乗るときの注意 — 大切なのは「号車」
連結して走る区間では、1本の列車のなかに「岡山行き(しおかぜ)の車両」と「高松行き(いしづち)の車両」が同居しています。2026年秋時点の案内では、前寄りの1〜5号車がしおかぜ、後ろ寄りの6〜8号車がいしづち(8600系で運転する場合は7号車がない2両)という組み合わせが基本とされています。
とくに注意したいのが上りで松山・今治・新居浜などから高松へ向かうときです。同じ列車に乗ったつもりでも、しおかぜ側の号車に座っていると、宇多津で切り離されたあと瀬戸大橋を渡って岡山へ向かってしまいます。指定席なら、きっぷに書かれた列車名と号車をよく確認し、自由席を使う場合も、ホームや車内の案内で「高松行き」の号車を確かめてから乗り込むようにしましょう。号車の割り当ては列車や時期によって変わることがあるため、最新の情報は公式案内でご確認ください。
運行会社と運行区間
- 運行会社: JR四国(四国旅客鉄道)
- 運行区間: 高松〜松山(予讃線)
- 使用車両: 8000系(振り子式電車)・8600系(空気ばね式車体傾斜の電車)
- 運行頻度: 日中はおおむね1時間に1本前後。しおかぜと連結する列車のほか、早朝・夜間を中心にいしづち単独の列車もある(2026年10月時点の目安・時期により変動)
- 所要時間: 高松〜松山でおおよそ2時間半前後、高松〜宇多津はおおよそ20分ほどが目安(列車や停車駅により前後する)
下り(高松 → 松山)の主な停車駅
高松 → 坂出 → 宇多津 → 丸亀 → 多度津 → 観音寺 → 川之江 → 伊予三島 → 新居浜 → 伊予西条 → 今治 → 松山
上に挙げたのは代表的な停車駅の一例です。列車によっては詫間・高瀬・壬生川(にゅうがわ)・伊予北条などにも停まり、逆に一部の駅を通過する列車もあります。上りは同じ経路を松山から高松へ戻り、宇多津(または多度津)でしおかぜと切り離されます。 実際の発着時刻はダイヤ改正や季節の臨時運転で変わるため、最新の時刻は JR四国(四国旅客鉄道) 等の公式時刻表でご確認ください。
8000系と8600系 — 振り子と車体傾斜、2つの乗り心地
いしづちは、予讃線の電化区間を走る電車の特急です。車両はしおかぜと共通で、おもに2つの形式が使われています。
- 8000系: カーブで車体を内側に傾けて速度を保つ振り子式の電車。長く予讃線の特急を支えてきた車両で、リニューアル工事を受けた編成も走っています
- 8600系: 空気ばねを使って車体を傾ける車体傾斜式の、比較的新しい電車。丸みのある先頭のデザインが目を引き、揺れをおさえた乗り心地が特徴です
どちらの車両が使われるかは列車ごとに決まっていて、日によって変わることもあります。いしづち側は短い編成で、グリーン車の有無や位置も編成によって異なる場合があるため、グリーン車を使いたいときは予約時に号車をよく確認しておきましょう。最新の車両・座席の案内は公式サイトでご確認ください。
讃岐から伊予へ — いしづちの車窓
高松を出たいしづちは、しばらく讃岐平野を西へ進みます。坂出を過ぎると、右手には瀬戸大橋の巨大な橋脚が姿を見せ、宇多津では、まさにその橋を渡ってきたしおかぜと出会います。丸亀・多度津と讃岐の町が続き、車窓には、讃岐富士とも呼ばれる飯野山などの、おむすび形の山々が点在する香川らしい風景が広がります。
観音寺を過ぎて愛媛県に入ると、川之江・伊予三島の製紙の町、新居浜・伊予西条の工業地帯と、瀬戸内の産業を支えてきた町が続きます。晴れた日には、南側に四国山地の山並みが連なり、その奥に石鎚山の方角を思い浮かべながら走るのも楽しいところ。今治の先では、ところどころで瀬戸内海の穏やかな海と島影がのぞき、終点の松山へと近づいていきます。
車両と座席・料金の目安
座席の種類(目安)
| タイプ | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 普通車指定席 | 座席をあらかじめ確保できる。連結列車では号車がきっぷに明記されるので、高松行き・岡山行きを取り違えにくい | 確実に座りたい人・上りで高松へ戻る人 |
| 普通車自由席 | 空いていれば手軽に乗れる。坂出〜丸亀など短い区間の移動にも便利。連結列車では乗る号車の確認が必須 | 短い区間を気軽に乗りたい人 |
| グリーン車 | ゆったりした座席。連結列車ではしおかぜ側・いしづち側のどちらにあるかが編成によって異なる場合がある | 長い区間をゆっくり過ごしたい人 |
上の表は代表的な構成を整理したもので、座席の区分や設備、号車の配置は車両や列車によって変わることがあります。詳しくは公式サイトの車両・座席案内でご確認ください。
料金の目安
いしづちに乗るには、乗車券に加えて特急券が必要です。具体的な金額は区間・時期・きっぷの種類によって変わるため、購入時に最新の情報をご確認ください。 四国内をめぐる旅では、JR四国の特急に乗れるフリーきっぷや、往復と宿がセットになった旅行商品が用意されていることもあり、うまく使うと個別に手配するより手軽になる場合があります。 松山や今治に泊まって愛媛をめぐるなら、宿は楽天トラベルで、道後温泉の旅館や松山駅周辺のホテルから絞り込んで探すと計画が立てやすくなります。
いしづちで行く愛媛の旅 — 石鎚山・鉄道文化館・道後温泉
いしづちは、香川と愛媛の町をこまめに結ぶ特急です。終点の松山はもちろん、途中の駅にも降りてみたくなる見どころが点在しています。
- 四国鉄道文化館(伊予西条駅下車・すぐ): 駅のそばにある鉄道の展示施設で、0系新幹線などが保存されています。西条は、東海道新幹線の実現に力を尽くし「新幹線の父」と呼ばれる十河信二(そごう しんじ)ゆかりの地。いしづちで訪ねると、四国から新幹線の歴史に出会えるのがおもしろいところです
- 石鎚山(伊予西条駅からバスで登山ロープウェイ方面へ): 列車名の由来になった西日本の最高峰。ロープウェイを使えば山の中腹まで上がれ、季節によっては紅葉や霧氷も楽しめます。バスの本数は限られ、季節運行の便もあるため、事前に確認を
- 別子銅山の産業遺産(新居浜駅からバスなど): 新居浜の発展を支えた銅山の歴史をたどれるスポット。山あいに残る遺構は「東洋のマチュピチュ」とも呼ばれ、テーマパーク型の施設もあります
- 今治・しまなみ海道(今治駅下車): タオルの町として知られ、焼豚玉子飯などのご当地グルメも。サイクリングで有名なしまなみ海道の四国側の玄関口です
- 松山城・道後温泉(松山駅から路面電車など): 現存十二天守のひとつ・松山城と、日本最古級といわれる名湯・道後温泉。いしづちの旅の締めくくりにぴったりの組み合わせ
- 讃岐うどん・丸亀城(高松・坂出・丸亀など): 出発前の高松や途中の丸亀で、本場のうどんを一杯。丸亀城は石垣の美しさで知られる、こちらも現存十二天守のひとつです
予約・チケット入手のコツ
いしづちは、香川と愛媛を行き来するビジネス客や通学客、観光客が利用する列車です。日中はおおむね1時間に1本前後と比較的乗りやすい特急ですが、連休や年末年始、お盆の帰省時期には、連結相手のしおかぜとあわせて指定席が埋まりやすくなります。
発売開始と予約方法
- 発売開始: 特急券は乗車日の一定期間前から購入できる(連休・行楽期は早めに埋まりやすい)
- 主な予約手段:
- JRのインターネット予約サービス(スマホ・PCから座席指定ができて便利)
- JRの主要駅の「みどりの窓口」・券売機
- 四国内のフリーきっぷや、宿がセットになった旅行商品も検討
取りやすさのコツ
- 上りで高松へ戻るときは、指定席で「いしづち」の号車を確保しておくと、宇多津での切り離しを気にせず過ごせる
- 松山から先の宇和島方面へは、松山で特急宇和海に乗り継げる。対面で乗り換えられるダイヤが多いので、通しで手配しておくと安心
- 本州から乗るなら、岡山でしおかぜに乗るのが基本。高松に泊まる旅程なら、翌日いしづちで松山へ向かうと香川と愛媛を1本でつなげる
- 単独運転の100番台の列車や、多客期の乗り換えが必要な列車は扱いが異なるので、公式の時刻表で確認を
よくある質問
Q. いしづちとしおかぜの違いは何ですか?
いしづちは高松発着、しおかぜは岡山発着の特急で、どちらも予讃線で松山へ向かいます。香川県内から乗るならいしづち、本州(岡山)から乗るならしおかぜ、という使い分けが基本です。多くの列車は宇多津(一部は多度津)〜松山で連結して1本の列車として走ります。詳しくはしおかぜの記事もあわせてご覧ください。
Q. 高松から松山まで乗り換えなしで行けますか?
いしづちに乗れば、基本的に高松から松山まで乗り換えなしで行けます。途中の宇多津(または多度津)で連結作業がありますが、乗ったまま待っていれば大丈夫です。ただし、多客期などには宇多津・多度津で乗り換えが必要になる列車が設定されることもあるため、乗る前に公式の時刻表・列車案内でご確認ください。
Q. 上りで高松へ行くとき、どの号車に乗ればいいですか?
連結して走る上り列車は、宇多津(または多度津)で切り離され、いしづち側の号車だけが高松へ向かいます。2026年秋時点の案内では後ろ寄りの6〜8号車がいしづち側とされることが多いものの、列車や時期によって変わることがあります。指定席ならきっぷの列車名と号車を、自由席なら駅や車内の案内で「高松行き」の号車を確かめてから乗るようにしましょう。
次にいしづちに乗るときは
いしづちは、西日本の最高峰の名を背負いながら、途中からはしおかぜと肩を並べて走る、少し控えめな特急です。けれど、高松から愛媛へ向かう人にとっては欠かせない一本で、宇多津での連結は、本州から来た列車と四国の列車がひとつになる、予讃線ならではの瞬間でもあります。 次に乗るときは、宇多津に着いたら少しだけ耳を澄ませてみてください。車体がつながる小さな衝撃の向こうに、瀬戸大橋を渡ってきた仲間がいます。そして伊予西条を過ぎるころ、窓の外の山並みの奥に、列車名の由来になった頂を思い浮かべてみると、いつもの移動が少しだけ旅らしくなるはずです。
関連情報
本ガイドは2026年11月時点の情報をもとに作成しています。 ダイヤ改正・車両運用変更・運休等の最新情報は、運行会社の公式サイトをご確認ください。
- 運行会社公式: JR四国(四国旅客鉄道)
- 愛媛の観光: いよ観ネット(愛媛県観光物産協会)