城崎温泉へ列車で行く旅|京都経由「きのさき」と大阪経由「こうのとり」どっちが便利?外湯めぐりまでのアクセス比較
💡 まずはここだけ!3つの要点
- 城崎温泉へのJR特急は2ルート。京都からきのさき(山陰本線)と、新大阪・大阪からこうのとり(福知山線)で、どちらも乗り換えなしで行けます
- 所要はどちらもおおよそ2時間半〜3時間前後が目安。大きな差はないので、決め手は「自分がどこから出発するか」と「どこに寄り道したいか」
- 城崎温泉駅は温泉街のすぐそば。7つの外湯を浴衣と下駄でめぐる街なので、着いたら駅から歩いて完結できます
浴衣に下駄で外湯をめぐる、兵庫県北部の温泉街・城崎温泉。関西からの「ちょっと遠出の温泉旅」の定番ですが、いざ調べると京都経由と大阪経由の2ルートが出てきて手が止まります。 この記事では、特急きのさきと特急こうのとりのどちらを選ぶべきかを、出発地・寄り道・旅のスタイル別に整理します。
結論から:ルートは「出発地」でほぼ決まる
先に身も蓋もない結論を書いてしまうと、この2ルートは所要時間で決着がつきません。京都からのきのさきも、新大阪・大阪からのこうのとりも、片道はおおよそ2時間半〜3時間前後が目安で、体感でどちらかが劇的に速いということはないためです。
つまり比較すべきは列車のスペックではなく、あなたが今どこにいるか。京都に近ければきのさき、大阪・神戸方面に近ければこうのとり——基本はこれだけで決まります。 その上で「途中でどこに寄りたいか」を重ねると、ルートの個性がくっきり見えてきます。
| 京都経由(きのさき) | 大阪経由(こうのとり) | |
|---|---|---|
| 始発駅 | 京都 | 新大阪・大阪(一部は大阪発着) |
| 通る線区 | 山陰本線(嵯峨野線)経由 | 福知山線(JR宝塚線)経由 |
| 主な車両 | 287系・289系 | 287系・289系 |
| 所要の目安 | おおよそ2時間半前後 | おおよそ2時間半〜3時間前後 |
| 向いている人 | 京都・滋賀・名古屋方面から/天橋立もセットで | 大阪・神戸・和歌山方面から/宝塚・丹波篠山に寄りたい |
どちらの列車も車両は287系・289系で共通なので、座席の快適さで悩む必要もありません。 ちなみに両ルートは福知山で合流し、そこから先の和田山・豊岡・城崎温泉までは同じ線路をたどります。出発地は違えど、旅の後半は同じ景色を見ることになる、というわけです。
京都経由「きのさき」:天橋立とセットにできるのが強み
京都駅から山陰本線(嵯峨野線)を北へ向かうのが特急きのさき。二条・亀岡・園部・綾部・福知山と内陸を進み、和田山・豊岡を経て城崎温泉に至ります。 京都駅発なので、東海道新幹線からの乗り継ぎが素直なのが最大の利点。東京・名古屋方面から向かうなら、まず候補に挙がるルートです。
そしてこのルートには、もうひとつ隠れた武器があります。きのさきにははしだてという姉妹列車がいて、福知山までまったく同じ道を走ったあと、京都丹後鉄道に乗り入れて日本三景・天橋立へ向かうのです。 つまり「行きは城崎温泉、帰りは天橋立に寄る」といった2泊3日の周遊プランが、同じ京都駅を起点に無理なく組めます。温泉と絶景を一度の旅で回収したい人には、これが決定打になるはずです。
運行本数は1日あたり数往復程度で、日中は数時間おきという時間帯もあります。乗り継ぎの都合で待ち時間が出やすいので、実際の本数や接続はJRおでかけネットなどで事前に確認しておくと安心です。
大阪経由「こうのとり」:関西の西側から素直に北上
一方、新大阪・大阪から福知山線(JR宝塚線)を北上するのが特急こうのとり。尼崎・宝塚・三田・篠山口・柏原を経て福知山に出て、そこから和田山・豊岡・城崎温泉へと向かいます(一部は福知山や豊岡どまり)。 大阪・神戸エリアに住んでいる、あるいは大阪で前泊するなら、迷わずこちらです。
列車名の由来は、終着方面の豊岡で保護・野生復帰の取り組みが続く国の特別天然記念物・コウノトリ。温泉に向かう列車が、その土地の象徴的な鳥の名前を背負っているというのは、なかなか味わい深い設定です。
車窓のハイライトは、宝塚を過ぎたあたりの武庫川渓谷。大阪の市街地を出て30分ほどで、車窓は谷あいの緑に切り替わります。都会からいきなり山あいへ放り込まれる落差が、このルートの気分の切り替えスイッチです。 さらに丹波篠山(篠山口下車)という寄り道の名所も抱えていて、黒豆や丹波栗、城下町の町並みを絡めた途中下車プランが組めるのも、こうのとりならではの楽しみ方でしょう。
東京・名古屋から行くなら、どこで乗り換える?
関西以外から城崎温泉を目指す場合は、「新幹線でどこまで行って、どの特急に乗り換えるか」という組み立てになります。おおまかな考え方は次のとおりです。
- 東京方面から: 東海道新幹線で京都へ出て、きのさきに乗り換えるのが最もシンプル。新大阪まで行ってこうのとりに乗る手もありますが、京都乗り換えのほうが素直です
- 名古屋方面から: 同じく京都乗り換えできのさきへ。距離的にも自然な流れです
- 広島・九州方面から: 山陽新幹線で新大阪へ出て、こうのとりに乗り換えるルートが基本になります
いずれのルートも、新幹線と特急の乗り換えが1回入る半日仕事の旅程です。朝に出発すれば、午後には浴衣に着替えて外湯めぐりを始められる、というのが現実的なイメージ。 出発時間帯によっては特急の本数が少ない時間に当たることもあるので、新幹線を予約する前に、接続する特急の時刻から逆算するのがおすすめです。
城崎温泉へ向かう2つのルートを地図で見比べる
きのさきが京都から山陰本線を、こうのとりが大阪から福知山線を北上し、福知山で合流して城崎温泉へ向かう走行イメージを、地図上のシミュレーション表示で確認できます。
マップを開く →着いてからが本番:浴衣と下駄で7つの外湯をめぐる
さて、アクセスを丁寧に比べてきましたが、城崎温泉という土地のいちばんの魅力は、実は着いてから移動しなくていいことにあります。 城崎温泉駅は温泉街のすぐ入口。駅を出て大谿川(おおたにがわ)沿いの柳並木を歩けば、そこはもう温泉街のど真ん中です。バスもタクシーも要りません。
この街の名物が、7つの外湯をめぐる外湯めぐり。宿にチェックインしたら浴衣と下駄に着替え、カランコロンと石畳を鳴らしながら湯から湯へ渡り歩きます。 多くの宿では宿泊者が外湯に入れる仕組みが用意されていて、「宿のお風呂に入る」のではなく「街全体が大きな旅館で、外湯がその大浴場」という発想。この街づくりそのものが、城崎温泉が愛され続けている理由です。
- 外湯めぐり: さとの湯・地蔵湯・柳湯・一の湯・御所の湯・まんだら湯・鴻の湯の7湯。それぞれ趣が違うので、2〜3湯はしごするだけでも満足感があります
- 冬の松葉ガニ: 城崎の冬といえばカニ。解禁シーズンは宿の予約が一気に埋まるので、早めの手配が鉄則です
- 但馬牛: 神戸ビーフのルーツとしても知られる但馬地方のブランド牛。温泉と一緒に味わいたい土地の味です
- 玄武洞: 柱状節理が織りなす、迫力ある岩壁の景観。城崎温泉駅から足を延ばせる距離にある名所です
- 城崎温泉ロープウェイ: 大師山の山頂へ。温泉街と円山川を見下ろす眺めが楽しめます
- 文学の街としての顔: 志賀直哉が滞在し『城の崎にて』を書いた地。文学碑をたどる散策も、この街ならではの過ごし方です
なお、外湯にはそれぞれ定休日や営業時間が設定されています。「行ってみたら休みだった」を避けるため、めぐる順番は現地の最新案内で確認してから組み立てましょう。
宿とカニのシーズンは、列車より先に押さえる
城崎温泉の旅で計画が崩れるとしたら、原因はたいてい列車ではなく宿です。とくに松葉ガニの解禁シーズンや紅葉の時期、連休は、人気の宿から順に埋まっていきます。
段取りとしては、宿を先に決めて、そこから特急の時刻を合わせるのが失敗しにくい順番。特急きのさき・こうのとりの指定席は、宿ほど極端に取りにくいわけではないためです。 カニ料理付きプランは宿ごとに内容と価格帯の幅が大きいので、楽天トラベルなどで先に相場感をつかんでから絞り込むと、比較がぐっと楽になります。
予算を抑えたいなら、カニのオフシーズンである春から秋を狙うのも手。同じ宿でも時期によって印象が変わりますし、夏の城崎は浴衣で歩くのがいちばん似合う季節でもあります。
まとめ:迷ったら「寄り道したい場所」で選ぶ
京都経由と大阪経由、所要時間では決着がつかない以上、選ぶ基準はシンプルでいいのです。
- 京都・滋賀・名古屋・東京方面から: 京都できのさきに乗り換え。天橋立とセットにする周遊プランも組めます
- 大阪・神戸・九州方面から: 新大阪・大阪からこうのとり。武庫川渓谷の車窓と、丹波篠山の途中下車が楽しめます
- 寄り道より効率重視: 出発地から近いほうを素直に選ぶ。福知山から先は結局同じ道のりです
そして忘れてはいけないのが、この旅の主役は列車ではなく、駅を降りた瞬間から始まる温泉街だということ。 2時間半ほど列車に揺られて、改札を出たらもう柳並木。荷物を宿に置いて浴衣に着替えれば、あとは下駄の音とともに湯をめぐるだけです。次に城崎温泉の名前を見かけたら、「どっちで行こうか」と地図を思い浮かべてみてください。その迷い自体が、もう旅の始まりです。
よくある質問
Q. 城崎温泉へは乗り換えなしで行けますか?
京都からの特急きのさき、新大阪・大阪からの特急こうのとりは、いずれも城崎温泉駅まで乗り換えなしで運行される列車があります。ただし列車によっては福知山や豊岡どまりのものもあるため、乗車前に行き先の確認をおすすめします。関西以外から向かう場合は、新幹線から特急への乗り換えが1回入ります。
Q. 京都経由と大阪経由、どちらが安いですか?
運賃・特急料金は距離や利用する区間、割引きっぷの有無によって変わるため、一概にどちらが安いとは言えません。出発地からの新幹線代も含めた総額で比べる必要があります。実際の金額は購入時に公式の案内でご確認ください。
Q. 城崎温泉駅から温泉街までは歩けますか?
はい。城崎温泉駅は温泉街の入口に位置しており、駅を出てすぐ大谿川沿いの柳並木と外湯が広がっています。多くの宿も徒歩圏内にあり、街なかの移動は基本的に徒歩で完結します。
Q. 日帰りでも行けますか?
関西発なら日帰りも不可能ではありませんが、片道おおよそ2時間半〜3時間前後かかるため、滞在時間はかなり限られます。外湯めぐりや食事をゆっくり楽しむなら、一泊するのがおすすめです。
関連情報
本記事は2026年7月時点の情報をもとに整理したアクセス・旅行プランの解説コラムです。 列車の運行やダイヤ、本数、料金、外湯・観光施設の営業状況は変更される場合があります。最新情報は各公式サイトでご確認ください。
- 特急きのさき・こうのとりの運行・時刻・きっぷ: JR西日本「JRおでかけネット」
- 城崎温泉の外湯・観光・宿の情報: 城崎温泉観光協会や各施設の公式情報をご確認ください