北海道新幹線はやぶさ完全ガイド|新青森〜新函館北斗の停車駅・H5系・青函トンネルの「時速160km」と函館への乗り継ぎ、札幌延伸の見通しまで
💡 まずはここだけ!3つの要点
- 北海道新幹線はJR北海道が運行する新青森〜新函館北斗の新幹線。東京から直通するはやぶさが中心で、全車指定席
- 新青森〜新函館北斗はおおよそ1時間前後、東京〜新函館北斗は最速でおおよそ4時間前後が目安
- 終点の新函館北斗は函館の中心から離れている。函館市内へは「はこだてライナー」に乗り継ぐ
北海道新幹線は、本州の新青森と北海道の新函館北斗を結ぶ新幹線です。津軽海峡の海の下を、青函トンネルでくぐり抜けます。ところがこの新幹線、トンネルの中では在来線の特急並みの速さに抑えて走っています。この記事では、その理由と停車駅、函館までの乗り継ぎ、札幌延伸の見通しを順に解説します。
船で4時間の海峡を、トンネルでくぐるまで
かつて本州と北海道のあいだは、青森と函館を結ぶ青函連絡船で渡るのが当たり前でした。海峡を越えるのに、船でおよそ4時間かかっていた時代です。
海の下に線路を通す計画が本格的に動き出したきっかけは、1954年の洞爺丸事故でした。台風で連絡船が沈み、多くの命が失われたのです。それから30年以上の工事を経て、1988年3月に青函トンネルが開業し、連絡船は役目を終えました。
青函トンネルの長さは53.85kmで、そのうち海の下を走る部分はおよそ23kmあります。長いあいだ世界でいちばん長い鉄道トンネルでした(2016年にスイスのゴッタルドベーストンネルが記録を更新)。最初は在来線の特急や寝台特急が通っていましたが、もともと新幹線も通せる大きさで造られていました。そして2016年3月26日、新青森〜新函館北斗の148.8kmが北海道新幹線として開業します。
運行会社と運行区間
- 運行会社: JR北海道(新青森〜新函館北斗)。東京からの直通列車はJR東日本の東北新幹線に乗り入れて走る
- はやぶさ: 東京〜新函館北斗の直通が中心。一部は仙台・盛岡などの発着
- はやて: 一部の時間帯に、盛岡・新青森〜新函館北斗などの区間を走る列車がある
- 本数: おおむね1時間に1本程度が目安(時間帯によって間隔が空く)
- 所要時間: 新青森〜新函館北斗はおおよそ1時間前後、東京〜新函館北斗は最速でおおよそ4時間前後(列車や停車駅によって差がある目安)
- 座席: 全車指定席で自由席はない。普通車・グリーン車・グランクラスがある
東京から新青森までの区間は、はやぶさ・こまちのガイドで詳しく紹介しています。最新の時刻は JR北海道 や えきねっと でご確認ください。
停車駅 — 駅は4つだけ
北海道新幹線の駅は、新青森を含めて4つしかありません。
新青森 → 奥津軽いまべつ → 木古内 → 新函館北斗
奥津軽いまべつと木古内は、列車によって通過します。どちらかの駅で乗り降りする場合は、停まる列車を予約の段階で確かめておきましょう。
| 駅 | 場所 | 乗り換え・ひとこと |
|---|---|---|
| 新青森 | 青森県青森市 | 東北新幹線と接続。在来線の奥羽本線で青森駅へ |
| 奥津軽いまべつ | 青森県今別町 | 本州側で最後の駅。隣にJR津軽線の津軽二股駅と道の駅がある |
| 木古内 | 北海道木古内町 | 北海道側で最初の駅。道南いさりび鉄道に乗り換えられる |
| 新函館北斗 | 北海道北斗市 | 終点。はこだてライナーで函館へ、特急北斗で札幌方面へ |
奥津軽いまべつの隣にある津軽線の津軽二股駅は、2022年8月の大雨の影響で蟹田〜三厩の区間が不通になっています。2026年時点では代行バスと乗合タクシーで代替しているため、竜飛岬方面へ向かう場合は事前にJR東日本や青森県の案内をご確認ください。
新幹線なのに時速160km — 青函トンネルの「同居人」
東北新幹線のはやぶさは、宇都宮〜盛岡の区間を時速320kmで走ります。ところが青函トンネルの前後に入ると、速度は時速160kmほどに落ちます。新幹線としてはかなりゆっくりです。
理由は、線路を貨物列車と共用しているからです。青函トンネルを含むおよそ82kmの区間は、新幹線と在来線の貨物列車が同じ線路を走ります。線路の幅が違うため、レールを3本敷いて両方が走れるようにしています(三線軌条)。北海道と本州を結ぶ物流の大動脈なので、貨物列車をどかすわけにはいきません。
新幹線が高速ですれ違うと、その風圧で貨物列車の積み荷に影響が出るおそれがあります。そのため、ふだんは時速160kmに抑えて走っているのです。
例外もあります。ゴールデンウィーク・お盆・年末年始の一部の日は、貨物列車が走らない時間帯をつくり、その時間帯の新幹線だけが時速260kmで走ります。2024年度のゴールデンウィークから260kmに引き上げられ、東京〜新函館北斗が数分短くなります。JR北海道の発表によると、2026年度の年末年始は2026年12月30日〜2027年1月4日に実施する予定です。対象の列車や日は毎回発表されるため、気になる場合は公式情報をご確認ください。
H5系とE5系 — 帯の色で見分ける
北海道新幹線を走るはやぶさには、JR北海道のH5系と、JR東日本のE5系の2種類の車両が使われます。形はほぼ同じで、どちらも10両編成です。
- H5系: 側面の帯が紫色(彩香パープル)。北海道の形をかたどったシロハヤブサのロゴマークが付いている
- E5系: 帯がピンク色(ときわグリーンの車体にピンクの帯)
座席はどちらも普通車・グリーン車・グランクラスの3クラスです。H5系は数が少ないので、紫の帯の列車に当たったら少し得をした気分になれます。どの列車にどちらが入るかは日によって変わります。
終点は「函館」ではない — 新函館北斗からの乗り継ぎ
北海道新幹線でいちばん間違えやすいのが、終点の新函館北斗です。駅があるのは函館市の北隣の北斗市で、函館の中心からは18kmほど離れています。
- はこだてライナー: 新函館北斗〜函館を結ぶ電車。新幹線の到着に合わせて走り、函館まではおおよそ15〜20分前後
- 特急北斗: 新函館北斗から札幌方面へ。札幌まではおおよそ3時間半前後かかる。詳しくは北斗のガイドで紹介しています
- 大沼公園: 新函館北斗から在来線で10分あまり。駒ヶ岳と湖の景色が広がる
はこだてライナーは新幹線を降りた人が一斉に乗るので、到着直後は混み合います。大きな荷物がある場合は、乗り換えに少し余裕を見ておくと安心です。所要はいずれも2026年11月時点の目安です。
途中下車と旅先の楽しみ方
- 新青森: 在来線で青森駅へ出れば、ねぶたの家ワ・ラッセ、のっけ丼の古川市場、八甲田の温泉へ
- 奥津軽いまべつ: 津軽半島の北のはずれ。竜飛岬や青函トンネル記念館は車やバスでの移動が中心になる
- 木古内: 道南いさりび鉄道で海沿いを函館方面へ。北海道最初の城下町・松前へはバスで向かえる
- 函館: 函館山の夜景、朝市の海鮮丼、五稜郭、金森赤レンガ倉庫、路面電車で行ける湯の川温泉
函館は見どころが多く、夜景を見るなら1泊がおすすめです。湯の川温泉やベイエリアの宿は楽天トラベルなどの予約サイトで先に比べておくと、乗る列車も決めやすくなります。
予約と乗り方のコツ
- きっぷ: 乗車券+新幹線特急券(指定席・グリーン車・グランクラス)。全車指定席なので、特急券は座席の指定とセットで買う。料金は区間と座席で変わるため、購入時にご確認ください
- 予約: JR東日本の「えきねっと」でネット予約できる。駅の指定席券売機・みどりの窓口でも購入可能
- 函館まで行く場合: 乗車券を函館まで通しで買っておけば、新函館北斗からはこだてライナーにそのまま乗り継げる
- 繁忙期: ゴールデンウィーク・お盆・年末年始は早めに埋まりやすい。本数が多くないので、行き帰りの列車を先に押さえるのが安心
札幌まで、あと212km — 延伸の見通し
北海道新幹線は、新函館北斗から札幌まで延ばす工事が進んでいます。延伸区間はおよそ212kmで、新八雲(仮称)・長万部・倶知安・新小樽(仮称)を経て札幌に至る計画です。
当初は2030年度末の開業をめざしていました。しかし、区間の約8割を占めるトンネルの工事で想定外の地質に当たるなどして遅れが出ています。2024年に鉄道・運輸機構が2030年度末の開業は難しいと国に報告し、その後に国土交通省が示した見通しでは2038年度末ごろとされています(2026年11月時点)。工事の状況によっては、さらに遅れる可能性も指摘されています。
新幹線が延びると、並行する在来線の扱いも変わります。函館本線の長万部〜小樽は、新幹線の開業後にバスへ転換する方針が決まっています。こうした「新幹線の裏側」については、並行在来線のコラムで詳しく紹介しています。
次に青函トンネルをくぐるときは
船で4時間かかった海峡は、いまトンネルで20分あまりになりました。それでも北海道新幹線は、トンネルの中では貨物列車に道をゆずるように、ゆっくりと走っています。
新青森を出てしばらくすると、窓の外が真っ暗な時間が続きます。そのあいだ、すぐ隣のレールでは北海道の野菜や本州からの荷物を積んだ貨物列車が行き交っています。暗いトンネルをただ待つのではなく、海の下を本州と北海道の暮らしが一緒に通っていると思うと、少し違った20分になるはずです。
よくある質問
Q. 北海道新幹線に自由席はありますか?
ありません。北海道新幹線は全車指定席です。乗る前に指定席特急券(またはグリーン券・グランクラス券)を用意する必要があります。
Q. 新函館北斗から函館駅まではどう行けばいいですか?
在来線の「はこだてライナー」に乗り継ぎます。新幹線の到着に合わせて運転されており、函館まではおおよそ15〜20分前後が目安です(2026年11月時点)。
Q. 青函トンネルを通過するのにどのくらいかかりますか?
ふだんは時速160kmほどで走るため、トンネルの通過にはおおよそ20分あまりかかります。時速260km運転の日は、数分短くなります。
Q. 北海道新幹線はいつ札幌まで延びますか?
国土交通省が示した見通しでは、2038年度末ごろとされています(2026年11月時点)。開業時期は工事の状況によって変わる可能性があるため、最新の情報は国土交通省や鉄道・運輸機構、JR北海道の発表をご確認ください。
関連情報
本ガイドは2026年11月時点の情報をもとに作成しています。 時刻・料金・停車駅などの最新情報は、運行会社の公式サイトをご確認ください。