まいづる完全ガイド|京都〜東舞鶴の停車駅・287系・綾部で切り離される舞鶴線特急の乗り方
💡 まずはここだけ!3つの要点
- まいづるは、京都と東舞鶴を山陰本線(嵯峨野線)・舞鶴線経由で結ぶJR西日本の特急。片道はおおよそ1時間40分前後で、京都から日本海側へ乗り換えなしで出られる
- 京都〜綾部は、きのさき・はしだてと連結した1本の長い列車として走る。綾部で切り離され、進行方向を変えてから舞鶴線へ入っていく
- 2022年3月から全車指定席。車両はJR西日本の287系のほか、京都丹後鉄道のKTR8000形「丹後の海」が入る列車もある
まいづるは、京都駅から東舞鶴駅までを結ぶJR西日本の特急です。京都を出た列車が向かうのは、寺でも温泉でもなく、日本海に面した旧海軍の軍港の街。同じ京都府のなかで、風景も街の成り立ちもまるごと入れ替わる約1時間40分の旅になります。この記事では、綾部で列車が二つに分かれるこの特急ならではの仕掛け、車両と座席、主な停車駅と車窓、予約のコツ、そして降りたあとの舞鶴観光までを解説します。
まいづるとは — 京都から、いちばん近い日本海へ
京都の観光といえば、たいていは市内の話で終わります。ところが京都府は、地図で見るとかなり縦に長い。北のはしは日本海に面していて、そこには港と造船所と自衛隊の基地がある街が広がっています。その海側の街へ、京都駅から乗り換えなしで連れていってくれるのが特急まいづるです。
走るのは京都 〜 東舞鶴。山陰本線(京都近郊の愛称は嵯峨野線)で綾部まで北上し、そこから舞鶴線に入って日本海側へ抜けます。所要は片道おおよそ1時間40分前後。新幹線の京都駅から数えれば、東京や博多から日本海までが乗り継ぎ2本という距離感になります。
登場は1999年。舞鶴線の電化開業に合わせて誕生した、比較的新しい特急です。それまで気動車で走っていた区間に電車の特急がやってきて、京都と舞鶴の距離が一気に縮まりました。
綾部で、列車が二つに分かれる
この列車のいちばんの見どころは、車窓でも車両でもなく、途中駅での作業風景かもしれません。
京都駅の発車案内で「まいづる」を探すと、たいてい隣にもう一つの列車名が並んでいます。きのさき(城崎温泉方面)またははしだて(天橋立方面)です。京都から綾部までの区間、まいづるはこれらの列車と連結した1本の長い編成として走ります。同じ線路を別々に2本走らせるより、くっつけて運んだほうが効率がよいからです。
そして綾部に着くと、連結が解かれます。切り離されたまいづるは舞鶴線へ、相方は福知山方面へ。ホームでは数分のうちに、1本だった列車が2本になって別々の方角へ散っていきます。鉄道ファンが集まるのはもちろんですが、初めて乗った人でも、窓の外で作業が進んでいるのを見るとつい目で追ってしまう場面です。
綾部では、進行方向も変わる
もうひとつ、綾部には仕掛けがあります。舞鶴線は綾部で山陰本線から分かれる線形のため、京都から来たまいづるは、ここで進行方向を変えてから東舞鶴へ向かいます。つまり、綾部を出ると自分の座席は後ろ向きになる、ということ。気になる人は、停車中に座席を回しておくと快適です。同じことは帰りにも起きるので、「綾部でいったん向きが変わる列車」と覚えておくと戸惑いません。
運行会社と運行区間
- 運行会社: JR西日本
- 運行区間: 京都 〜 東舞鶴(山陰本線〈嵯峨野線〉・舞鶴線経由)
- 種別: 特急(2022年3月から全車指定席・グリーン車なし)
- 使用車両: 287系(JR西日本)/KTR8000形「丹後の海」(京都丹後鉄道)
- 運行頻度: 下り・上りともおおむね1日7〜8本程度(2026年時点の目安。曜日・時期により変動)
- 所要時間: 片道おおよそ1時間40分前後
- 連結相手: 京都〜綾部はきのさき、またははしだてと併結
本数はダイヤ改正で見直されることがあります。舞鶴は日帰りでも回れる距離ですが、帰りの本数を先に確認してから現地の予定を組むと、ゆとりのある旅程になります。
停車駅と車窓 — 街から山へ、山から海へ
まいづるの車窓は、きれいに三幕に分かれています。京都から亀岡あたりまでの「街と峡谷」、園部から綾部までの「山あい」、そして綾部から先の「海に向かう下り坂」。同じ京都府を走っているとは思えないほど、風景が入れ替わっていきます。
主な停車駅
下り(京都 → 東舞鶴): 京都 → 二条 → 亀岡 → 園部 → 綾部 → 西舞鶴 → 東舞鶴
上り(東舞鶴 → 京都): 東舞鶴 → 西舞鶴 → 綾部 → 園部 → 亀岡 → 二条 → 京都
上下でほぼ同じ駅に停まります。列車によっては日吉にも停車します。停車駅は改正で変わることがあるため、最新の案内をご確認ください。
京都を出てすぐ、街が終わる
京都駅を出た列車は、二条を過ぎるとすぐに市街地を抜けます。嵯峨嵐山のあたりから先はトンネルが続き、その足元では保津川が渓谷をつくっています。観光で有名な保津川下りやトロッコ列車の舞台はこの一帯。特急からは断片的にしか見えませんが、「あの渓谷の上を走っている」と思うと、トンネルの暗さも少し味わいが変わります。亀岡盆地に出ると視界が開け、園部から先はいよいよ山あいの区間に入ります。
綾部から先が、舞鶴線
綾部を出て舞鶴線に入ると、列車は山を越えて日本海側へ下りていきます。距離にしておおよそ26kmと短い区間で、トンネルを抜けたあたりから民家が増え、やがて造船所のクレーンや港の設備が見えてきます。内陸から海側へ出たことが、風景ではっきりわかる瞬間です。
西舞鶴と東舞鶴は、性格の違う二つの街
舞鶴を初めて訪れる人がまず戸惑うのが、駅が二つあることです。しかもこの二つ、単なる隣駅ではありません。
- 西舞鶴: 田辺城の城下町として発展した、古くからの街の側。京都丹後鉄道に乗り換えて宮津・天橋立方面へ抜けられる
- 東舞鶴: 明治期に旧海軍の鎮守府が置かれてから開けた、計画的につくられた街の側。赤れんが倉庫群や引揚記念館など、近代の史跡が集まる
東舞鶴の街には、いまも当時の名残がはっきり残っています。中心部の通りには三笠通・敷島通・朝日通といった名前が付いていますが、これらはいずれも旧海軍の軍艦にちなんだもの。地図を見ながら歩くと、街そのものが海軍の設計図の上に建っていることがわかります。目的地がどちら側かで降りる駅が変わるので、旅程を組むときは先に確認しておくと安心です。
車両 — 287系と、たまに現れる青い「丹後の海」
まいづるの主役は287系です。北近畿エリアの特急のために用意された電車で、きのさき・はしだてやこうのとりにも共通で使われています。白を基調としたすっきりした外観で、座席も落ち着いた仕立て。連結相手と同じ形式なので、京都〜綾部では見た目のそろった長い編成になります。
面白いのは、ここに別会社の車両が混ざる日があることです。列車によっては、京都丹後鉄道のKTR8000形が使われます。この車両はデザイナーの水戸岡鋭治氏が手がけた「丹後の海」仕様で、深い藍色の車体に木を多用した車内という、観光列車に近い雰囲気。JRの特急券で乗った列車が第三セクターの改装車両だった、ということが起こるわけです。どの列車にどちらが入るかは時期によって変わるので、狙うなら公式の車両案内を確認してから選ぶことになります。
なお、連結して走る区間があるため、編成の長さは列車によって変わります。京都〜綾部では6〜7両程度で走る日もあり、綾部で切り離されたあとのまいづるは短い編成で舞鶴線へ入っていきます。
座席ときっぷ — 全車指定席になった特急
まいづるは2022年3月から全車指定席になりました。自由席がないので、当日ホームで飛び乗るスタイルは取りにくくなった一方、座れるかどうかを心配しなくてよいという安心感があります。グリーン車の連結はなく、普通車のみのシンプルな構成です。
料金の考え方
料金は「乗車券+指定席特急券」の組み合わせが基本です。JR西日本のネット予約サービス(e5489)では、きっぷを受け取らずに乗れるチケットレス特急券など、駅の窓口で買うより割安になる商品が設定されています。金額や発売条件は改定されることがあるため、購入時に最新の内容をご確認ください。
舞鶴は日帰りでも往復できますが、赤れんがパークや引揚記念館をきちんと見て、夕方に海沿いで魚を食べて……と考えると、一泊したほうが満足度は上がります。宿の空きから日程を決めたい場合は、楽天トラベルなどで舞鶴・天橋立エリアの宿を先に押さえてから、列車の時刻を合わせる組み立て方が現実的です。
きのさき・はしだて・こうのとりとの関係
まいづるは単独の列車というより、北近畿の特急ネットワークの一員として理解したほうがすっきりします。同じ287系が、行き先を変えながら京都・大阪と日本海側を網の目のように結んでいるからです。
| 列車名 | 区間 | 性格 |
|---|---|---|
| まいづる | 京都 〜 東舞鶴 | 綾部で舞鶴線へ分かれ、日本海側の軍港の街へ |
| きのさき | 京都 〜 城崎温泉ほか | 綾部・福知山を経て温泉街へ。まいづるの連結相手 |
| はしだて | 京都 〜 天橋立ほか | 福知山から京都丹後鉄道へ乗り入れ、日本三景へ。こちらも連結相手 |
| こうのとり | 新大阪・大阪 〜 城崎温泉ほか | 大阪から福知山線を北上する、大阪側の担当 |
京都から北近畿へ出る特急は、綾部までほぼ同じ道を走り、そこから目的地ごとに散っていきます。「綾部が分岐点」と覚えておくと、この4列車の関係が一気に整理できます。
降りたあとの楽しみ — 舞鶴で何を見るか
舞鶴は、旧海軍の鎮守府が置かれた4つの街(横須賀・呉・佐世保・舞鶴)のひとつで、2016年には日本遺産にも認定されています。近代の遺構がまとまって残っているうえ、港町なので魚もおいしい。代表的なスポットを挙げます(所要は2026年9月時点の目安です)。
- 舞鶴赤れんがパーク(東舞鶴駅から徒歩圏): 明治期に旧海軍の倉庫として建てられたれんが建築群。国の重要文化財を含む建物が博物館やカフェとして使われている
- 舞鶴引揚記念館(東舞鶴駅からバス): 終戦後の13年間、およそ66万人の引揚者を迎えた港の歴史を伝える施設。所蔵する引揚関連資料はユネスコ「世界の記憶」に登録されている
- 五老スカイタワー(東舞鶴駅・西舞鶴駅からバスまたはタクシー): 五老ヶ岳の上に立つ展望塔。海抜およそ325mの展望室から、入り組んだ舞鶴湾を見下ろせる
- 北吸桟橋の艦艇見学(東舞鶴駅から徒歩圏): 海上自衛隊の桟橋で、土日祝を中心に停泊中の艦艇を見学できる。実施日・時間は変更されることがあるので事前確認を
- 舞鶴港とれとれセンター(西舞鶴駅からバスなど): 日本海の魚が並ぶ海鮮市場。買ったその場で食べられるコーナーがあるのも港町らしいところ
- 京都丹後鉄道で天橋立へ(西舞鶴駅で乗り換え): 西舞鶴から宮津方面へ抜ければ、日本三景・天橋立まで足をのばせる
ちなみに舞鶴は、肉じゃが発祥の地を名乗る街でもあります。もっとも同じ主張を広島県の呉市もしていて、両者の“発祥論争”は決着していません。どちらも旧海軍ゆかりの港町なので、事情はよく似ています。舞鶴側の由来は、初代の舞鶴鎮守府司令長官だった東郷平八郎にまつわる話。街の食堂で肉じゃがを頼むときに思い出すと、味の感じ方が少し変わります。
予約・乗り方のコツ
まいづるは全車指定席ですが、観光シーズンでもない限り、極端に取りにくい列車ではありません。むしろ気をつけるのは「座席の向き」と「降りる駅」のほうです。
- 綾部で進行方向が変わる。座席の向きにこだわるなら、綾部以降は回転させるつもりでいる
- 降りる駅を先に決める。赤れんがパークや引揚記念館なら東舞鶴、天橋立へ抜けるなら西舞鶴
- 連結相手(きのさき・はしだて)と車両が並ぶので、綾部での切り離しを見たいなら停車中に降りられる時間を確認しておく
- ネット予約(e5489)のチケットレス商品は、窓口で買うより割安になる設定がある
- 冬は日本海側のかにの季節で、宿が先に埋まりやすい。宿を確保してから列車を押さえるほうが安全
- 帰りの本数はそれほど多くない。現地での滞在時間は、最終の列車から逆算して組む
よくある質問
Q. 京都から天橋立へ行くなら、まいづるでもいいですか?
天橋立が目的なら、はしだてのほうが素直です。福知山から京都丹後鉄道へ直通し、乗り換えなしで天橋立まで行けます。まいづるの場合は西舞鶴で京都丹後鉄道に乗り換える形になるので、舞鶴観光とセットにしたいときの選択肢と考えるとよいでしょう。
Q. 自由席はありますか?
2022年3月から全車指定席になったため、自由席はありません。乗車券に加えて指定席特急券が必要です。ネット予約のチケットレス商品を使うと、駅で受け取らずに乗車できます。
Q. 綾部で乗り換えは必要ですか?
必要ありません。綾部で行われるのは列車の切り離しで、まいづるの車両に乗ったままでいれば東舞鶴まで運んでくれます。ただし京都駅で乗り込むときに、まいづるの号車に乗る必要があります。連結相手の号車に座っていると、綾部で福知山方面へ連れていかれてしまうので、ホームの案内表示と号車番号は必ず確認してください。
Q. 西舞鶴と東舞鶴、どちらで降りればいいですか?
赤れんがパーク・引揚記念館・自衛隊の桟橋といった近代の史跡を見るなら東舞鶴、京都丹後鉄道に乗り換えて宮津・天橋立方面へ抜けるなら西舞鶴です。両駅のあいだは普通列車でひと駅分の距離なので、行き来はできます。
Q. 車両は選べますか?
列車ごとに287系とKTR8000形「丹後の海」のどちらが入るかが決まっており、公式の車両案内で確認できます。ただし車両変更が起こることもあるため、確実に狙いたい場合でも「当たれば嬉しい」くらいの構えでいるのが無難です。
関連情報
本ガイドは2026年9月時点の情報をもとに作成しています。 ダイヤ・料金・使用車両・きっぷの発売条件などの最新情報は、運行会社の公式サイトをご確認ください。
- 運行会社公式: JR西日本「JRおでかけネット」
- 列車紹介ページ: 特急まいづる(JRおでかけネット)
- 乗り入れ会社: 京都丹後鉄道