スーパーおき・スーパーまつかぜ完全ガイド|鳥取・米子〜新山口・益田の停車駅・キハ187系・山陰本線をゆく振り子式特急の乗り方
💡 まずはここだけ!3つの要点
- スーパーおき・スーパーまつかぜは、新幹線が通らない山陰を日本海ぞいに結ぶJR西日本の姉妹特急。スーパーおきは山陰本線から山口線へ抜けて新山口(山陽新幹線)まで、スーパーまつかぜは山陰本線内を走る
- 車両は共通で、非電化区間もカーブも速く走れる振り子式ディーゼル特急キハ187系(普通車のみ)。本数は限られるので、乗る列車の時刻を先に決めて旅程を組むのがコツ
- 出雲大社・松江城と宍道湖・石見銀山・鳥取砂丘・山陰の小京都 津和野など、沿線に名所が点在。乗り継ぎ拠点は米子・出雲市・益田・新山口
スーパーおき・スーパーまつかぜは、新幹線が走らない山陰地方を、山陰本線にそって日本海ぞいに結ぶJR西日本の特急列車です。鳥取・米子から松江・出雲市・浜田・益田へと山陰を横断し、スーパーおきはさらに益田から山口線に入って中国山地を越え、山陽側の新山口(山陽新幹線の停車駅)まで到達します。いっぽうスーパーまつかぜは、鳥取・米子〜益田の山陰本線内を受け持つ、地域の背骨のような特急です。列車名は、島根県沖の島々「隠岐(おき)」と、海辺の松林を渡る「松風(まつかぜ)」にちなみます。 この記事では、2つの特急の役割の違いと運行イメージ、共通車両であるキハ187系、山陰本線と山口線の車窓、鳥取・米子・松江・出雲市・浜田・益田・津和野・山口といった停車駅、出雲大社・松江城・石見銀山・鳥取砂丘へのアクセス、予約のコツから山陰の旅プランまで解説します。
山陰に新幹線はない — だから特急が背骨になる
日本海に面した鳥取・島根の両県には、いまも新幹線が走っていません。そのぶん、山陰の都市どうしをつなぎ、山陽側の新幹線へ橋渡しする役割を担っているのが、山陰本線を走る特急列車です。スーパーおき・スーパーまつかぜは、まさにその「山陰の背骨」にあたる存在。鳥取砂丘のある鳥取から、松江・出雲といった山陰の中心都市を通り、石見(いわみ)地方の浜田・益田まで、日本海ぞいの長い道のりを特急がていねいに結んでいきます。
ちなみに、この2列車が走る山陰本線は、京都から山口県の下関近くまで日本海ぞいに続く、在来線としては国内最長級の路線です。その全区間を1本の特急が走り通すわけではありませんが、鳥取〜益田という山陰の主要区間をカバーするスーパーおき・スーパーまつかぜは、広い山陰の移動を支える主力といえます。新幹線がないからこそ、この特急が沿線の人にとっても、旅行者にとっても頼れる足になっているのです。
スーパーおきとスーパーまつかぜ、どう違う?
2つの特急は同じ車両で山陰本線を走りますが、行き先と役割が異なります。旅の計画では、まずこの違いを押さえておくとルート選びがぐっと楽になります。
- スーパーおき: 鳥取・米子から山陰本線を西へ進み、益田で山口線に入って中国山地を越え、新山口まで走る「山陰と山陽をむすぶ」特急。新山口で山陽新幹線に接続するため、広島・博多・大阪方面から山陰へ入る動線にもなります。津和野・山口といった山口線内の観光地に停まるのもこの列車です
- スーパーまつかぜ: 鳥取〜益田を中心に、山陰本線の中を走る特急。米子発着や鳥取〜米子だけの区間運転もあり、山陰の都市間輸送を細かく支えます。山口線には入らず、日本海ぞいを行き来する「山陰の中の足」です
ざっくり言えば、山陽(新幹線)とつながりたいならスーパーおき、山陰の中で移動するならスーパーまつかぜという住み分けです。とはいえ両者は同じ区間を補い合って走っているので、実際の旅では「行きたい時間に走っている列車」を選べば大丈夫。時刻を先に調べて、おき・まつかぜのどちらに乗るかを決めるのがスムーズです。
キハ187系 — 電化されてなくてもカーブを攻める振り子式特急
スーパーおき・スーパーまつかぜを走るのは、JR西日本の特急形気動車キハ187系です。山陰本線や山口線には電化されていない区間があるため、電車ではなく、自力で発電して走るディーゼル特急が使われます。キハ187系の最大の特徴は、車体を内側へ傾けてカーブを速いスピードのまま走り抜ける振り子式(制御付き自然振り子)のしくみを備えていること。海ぞいや山あいのカーブが多い山陰の路線でも、テンポよく走れるように造られた車両です。
キハ187系は2両編成が基本・普通車のみ(グリーン車なし)で、指定席と自由席が設定されるのが基本です。2001年にデビューした比較的新しい形式で、混み合う時期には編成をのばして運転されることもあります。短い編成でカーブを軽快に駆け抜ける走りっぷりは、乗り物としてのキャラクターがはっきりしていて、乗り鉄でなくても「乗っている」実感が味わえるはず。最新の座席区分や編成両数は変わることがあるため、詳しくは公式サイトでご確認ください。
運行会社と運行区間
- 運行会社: JR西日本(西日本旅客鉄道)
- 運行区間: スーパーおき=鳥取・米子〜新山口(山陰本線・山口線経由)/スーパーまつかぜ=鳥取・米子〜益田(山陰本線経由)
- 使用車両: キハ187系(振り子式の特急形気動車・2両編成が基本)/普通車(指定席・自由席)
- 運行頻度: スーパーおきは1日およそ3往復が目安。スーパーまつかぜは区間ごとに数往復(時期・ダイヤ改正により変動)
- 所要時間: 米子〜新山口でおおよそ3時間半前後、鳥取〜益田でおおよそ3時間半〜4時間が目安(列車・区間により前後する)
どちらも、こまめに何本も走るタイプの特急ではなく、1日に数本がゆったり行き交うタイプです。区間が長く本数も限られるので、まず乗る列車の時間を決めてから旅程を組み立てるのが鉄則。新山口では山陽新幹線、米子では境線(境港方面)や伯備線のやくも、鳥取では智頭急行経由のスーパーはくととの乗り継ぎを意識すると、山陰の旅の動線が見えてきます。
下り(鳥取 → 益田・新山口)の主な停車駅
鳥取 → 倉吉 → 米子 → 松江 → 出雲市 → 大田市 → 江津 → 浜田 → 益田 →(スーパーおきは山口線へ)津和野 → 山口 → 新山口
上に挙げたのは代表的な停車駅の一例で、列車や区間によって停車駅・始発駅は異なります(米子発着の設定もあります)。鳥取から山陰本線を西へたどり、松江・出雲市を経て石見地方の浜田・益田へ。スーパーおきはここから山口線に入り、津和野・山口を通って新山口へ抜けます。スーパーまつかぜは益田までの山陰本線内の運転です。上りも同じ経路を逆にたどります。 実際の発着時刻はダイヤ改正や季節の臨時運転で変わるため、最新の時刻は JR西日本(JRおでかけネット) 等の公式時刻表でご確認ください。
新山口・米子での接続 — 山陽新幹線や境港・出雲へ
この2列車の旅で覚えておきたいのが、両端や途中での乗り継ぎです。スーパーおきの終点新山口は山陽新幹線が停まる駅で、広島・博多方面や、新大阪から東海道新幹線で来た旅行者が、新山口でスーパーおきに乗り換えて山陰へ入る、という組み立てができます。新山口はSL列車「SLやまぐち号」(山口線)の起点としても知られ、津和野方面への観光の玄関口でもあります。
途中の米子は、水木しげるロードで知られる境港へ向かう境線や、岡山から伯備線を走ってくるやくもとの接続点。出雲大社の最寄り出雲市では、東京からの寝台特急サンライズ出雲とも顔を合わせます。山陰は路線がシンプルなぶん、要所での乗り継ぎを押さえておくと、砂丘から大社まで一気に旅の幅が広がります。
宍道湖から石見、そして山口線の山越えへ — 車窓の楽しみ
スーパーおき・スーパーまつかぜの車窓は、山陰本線らしい「海と湖と町」の移り変わりが魅力です。鳥取から西へ進むと、やがて宍道湖(しんじこ)が車窓に広がります。松江〜出雲市のあたりで水辺にそって走る区間は、とくに夕暮れどきの宍道湖の眺めが美しく、山陰を代表する車窓のひとつ。出雲市を過ぎると、日本海の海岸線や石見地方ののどかな里の景色が続きます。
スーパーおきは益田から山口線に入り、それまでの日本海ぞいから一転、中国山地の山あいへと分け入っていきます。津和野の盆地に開ける城下町の風情、山口へ向かう峠越えなど、海の旅から山の旅へと表情が変わるのがスーパーおきならでは。ひとつの列車で「日本海側から瀬戸内側へ」抜けていく感覚は、地図を眺めながら乗ると何倍も楽しめます。
車両と座席・料金の目安
スーパーおき・スーパーまつかぜは、グリーン車のない普通車のみで構成され、指定席と自由席が設定されるのが基本です。区間が長いので、松江・出雲・津和野などで途中下車して観光を組み込むときや、確実に座りたいときは、指定席で座席を押さえておくと安心。宍道湖や日本海の眺めを狙うなら、進行方向と窓側を意識して席を選ぶのもおすすめです。
座席・設備の種類(目安)
| タイプ | 特徴 | 区分 |
|---|---|---|
| 普通車指定席 | 座席をあらかじめ確保できる指定席。区間が長く本数が限られるこの特急では、乗る列車を決めて確実に座りたいときや、途中下車で観光を組むときに安心 | 確実に座りたい人向け |
| 普通車自由席 | 空いていれば手軽に乗れる自由席。区間利用や、時間を選ばず気軽に乗りたいときに便利。観光シーズンは混みやすい | 気軽に乗りたい人向け |
上の表は代表的な構成を整理したもので、座席の区分や設備、指定席・自由席の扱い、編成両数は車両や時期によって変わることがあります。詳しくは公式サイトの車両・座席案内でご確認ください。
料金の目安
スーパーおき・スーパーまつかぜに乗るには、乗車券に加えて特急券が必要です。新山口で山陽新幹線に乗り継ぐ場合も、きっぷは出発地から目的地まで通しで手配できます。往復の割引きっぷや、宿とセットになったお得なプラン(旅行商品)が用意されていることもあり、うまく使うと個別に手配するより手軽で割安になる場合があります。 具体的な金額は区間・時期・きっぷの種類によって変わるため、購入時に最新の情報をご確認ください。松江・玉造温泉や出雲、鳥取・三朝温泉、津和野・湯田温泉などに泊まる場合は、往復の交通と宿を合わせて手配すると計画が立てやすくなります。 宿の予約は楽天トラベルで、宍道湖のほとりの玉造温泉や出雲大社の門前宿、津和野の町なかの宿などから絞り込んで探すと便利です。
スーパーおき・スーパーまつかぜで行く旅 — 出雲・松江・石見・津和野
この2列車の魅力は、山陰の名所を日本海ぞいにたどっていけること。縁結びの出雲大社から国宝・松江城、世界遺産の石見銀山、そして山陰の小京都・津和野まで、車窓の旅がそのまま観光へと自然につながっていきます。
- 出雲大社(出雲市駅から一畑電車・バス): 縁結びの神様として名高い、山陰を代表する古社。出雲市駅で降りて向かうのが基本で、参道の出雲そばや門前のにぎわいもあわせて楽しみたい
- 松江城・宍道湖(松江駅下車): 現存天守で国宝の松江城を中心にした水の都。夕暮れの宍道湖に沈む夕日は山陰屈指の絶景で、小泉八雲ゆかりの城下町散歩や、近くの玉造温泉での宿泊も人気
- 石見銀山(大田市駅からバス): 世界遺産に登録された銀山と町並み。大田市駅を起点に、大森の古い町並みや坑道跡(間歩)をめぐる。近くの温泉津(ゆのつ)温泉とあわせて訪ねる旅も味わい深い
- 鳥取砂丘(鳥取駅からバス): 日本海に面した広大な砂丘。鳥取発着の列車を起点に、砂の美術館や白兎海岸とあわせて楽しめる山陰旅の入口
- 津和野(津和野駅下車・スーパーおき): 山あいに開けた「山陰の小京都」。武家屋敷の白壁となまこ壁、太皷谷稲成神社の朱い鳥居が続く風景で知られる、山口線ならではの城下町
- 山口・湯田温泉(山口駅・湯田温泉駅/スーパーおき): 「西の京」と呼ばれる山口には瑠璃光寺の五重塔などの名所があり、市内の湯田温泉は旅の疲れを癒す拠点になる
出雲大社の門前宿や宍道湖畔の玉造温泉、鳥取・三朝温泉、津和野・湯田温泉など、スーパーおき・スーパーまつかぜの旅の拠点になる宿を、料金やポイントで見比べて探すなら
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途中下車で楽しめるスポット
スーパーおき・スーパーまつかぜは、終点まで行かずに途中の街で降りるのも楽しい列車です。日本海ぞいの沿線に、旅心をくすぐる寄り道先が点在しています。
- 倉吉(倉吉駅からバス): 白壁土蔵群の町並みが残る城下町。近くには三朝(みささ)温泉やはわい温泉といった温泉地もあり、鳥取観光の寄り道にちょうどよい
- 米子(米子駅下車): 山陰の交通の要衝。境線で妖怪の町・境港へ、伯備線のやくもで岡山へ、皆生温泉や大山(だいせん)へと四方に旅が広がる拠点
- 浜田(浜田駅からバス): 石見地方の中心都市で、シロイルカで知られる水族館「しまね海洋館アクアス」の最寄り。日本海の海の幸も楽しみ
- 益田(益田駅下車): 山陰本線と山口線が交わる石見の要。スーパーおきが山へ、スーパーまつかぜが山陰本線へと道を分ける結節点で、雪舟ゆかりの庭園でも知られる
予約・チケット入手のコツ
スーパーおき・スーパーまつかぜは、山陰の日常の足であると同時に、出雲大社・松江・石見銀山・鳥取砂丘・津和野といった観光需要も集まる列車です。区間が長く本数が限られるので、まずは乗る列車の時刻を先に押さえるのが計画の絶対条件。ふだんは比較的乗りやすい特急ですが、出雲大社が混み合う連休や、観光シーズンには指定席が埋まりやすくなります。繁忙期は、特急と宿を早めに押さえておくと安心です。
発売開始と予約方法
- 発売開始: 特急券は乗車日の一定期間前から購入できる(連休・観光シーズンは早めに埋まりやすい)
- 主な予約手段:
- JR西日本のインターネット予約サービス(スマホ・PCから座席指定ができて便利)
- JRの主要駅の「みどりの窓口」・券売機
- 往復の割引きっぷや、宿とセットになった旅行商品も検討
取りやすさのコツ
- 本数が限られるので、行き帰りの時刻を先に確認し、それに合わせて旅程を組むのが最大のコツ
- 新山口で山陽新幹線へ乗り継ぐなら、通しで手配しておくと乗り換えを落ち着いて楽しめる
- 出雲大社が混む連休や観光シーズンは、指定席を早めに予約すると安心
- 宍道湖や日本海の車窓を狙うなら、進行方向と窓側を意識して座席を選ぶとよい
よくある質問
Q. スーパーおきとスーパーまつかぜは何が違いますか?
どちらもキハ187系で山陰本線を走る姉妹特急ですが、行き先が違います。スーパーおきは益田から山口線に入り、津和野・山口を経て新山口(山陽新幹線接続)まで走る「山陰と山陽をむすぶ」特急。スーパーまつかぜは鳥取・米子〜益田の山陰本線内を走る特急です。山陽新幹線とつなげたいならスーパーおき、山陰の中で移動するならスーパーまつかぜ、と考えると分かりやすいでしょう。
Q. スーパーおき・スーパーまつかぜにグリーン車はありますか?
どちらも、グリーン車のない普通車のみのキハ187系で運行されるのが基本です。座席は指定席と自由席が設定されます。区間が長く本数も限られるため、確実に乗りたい列車があるなら指定席を選んでおくと安心です。編成両数は観光シーズンなどにのびることもあります。最新の座席区分・編成は公式情報でご確認ください。
Q. 出雲大社へ行くには、どの列車を使えばいいですか?
出雲大社の玄関口は出雲市駅で、スーパーおき・スーパーまつかぜのどちらも停車します。出雲市駅からは一畑電車やバスで大社へ向かいます。岡山方面からなら伯備線経由のやくも、東京からなら寝台特急サンライズ出雲という選択肢もあり、山陰内の移動や津和野・山口方面とあわせて回るならスーパーおき・スーパーまつかぜが便利です。
関連情報
本ガイドは2026年9月時点の情報をもとに作成しています。 ダイヤ改正・車両運用変更・運休等の最新情報は、運行会社の公式サイトをご確認ください。
- 運行会社公式: JR西日本(JRおでかけネット)