御殿場・箱根・沼津を鉄道とバスでつなぐ旅|ロマンスカーふじさん・御殿場線・箱根の周回と「かつての東海道本線」をたどる回り方

公開: 2026年11月1日 / カテゴリ: コラム・考察

御殿場・箱根・沼津の回り方|ロマンスカーと御殿場線で周遊

💡 まずはここだけ!3つの要点

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箱根は湯本から入って湯本から帰るもんやと思ってたわ。御殿場側から抜けられるって、地図をちゃんと見たことなかったな〜

箱根へ行くとき、多くの人は小田原か箱根湯本から山に入り、同じ道を戻ってきます。ところが地図を広げてみると、箱根の山の向こう側、富士山の東のふもとに御殿場という町があり、そこから先は沼津まで一本の線路が続いています。

新宿から延びる二本のロマンスカー、箱根の山を登る電車とロープウェイ、山上と御殿場を結ぶバス、そして御殿場線。これらを組み合わせると、箱根は「行って戻る場所」から「通り抜ける場所」に変わります。そして、その旅の背骨になる御殿場線には、少し意外な過去があります。

ご注意: 本記事は2026年11月時点の公開情報をもとに個人の解釈で整理した解説コラムです。 運行本数・所要時間・運賃・フリーパスの範囲・バスの路線や運行状況は、ダイヤ改正や季節、各社の施策で変わることがあります。 最新情報は小田急電鉄(ロマンスカー)などの公式情報でご確認ください。 本サイトは個人運営の非公式サイトであり、各鉄道事業者・バス事業者との直接の提携・関連はありません。 ※ 本記事には広告・アフィリエイトリンクが含まれます。

箱根の山を越えられなかった東海道

1889年、東海道本線の国府津〜沼津が開通しました。このとき線路が通ったのは、いまの小田原・熱海の海沿いではありません。箱根の山を正面から越えるトンネルを掘る技術はまだなく、線路は山の北側を大きく回り込み、酒匂川の谷をさかのぼって御殿場の高原を越え、沼津へ下るルートが選ばれました。いまの御殿場線こそが、かつての東海道本線だったのです。

ただ、この道は険しいものでした。御殿場へ向かう区間には25‰(1000m進んで25m上る)の急な上り坂が続き、蒸気機関車はもう1両の機関車の助けを借りなければ登れませんでした。その拠点になったのが山北の町です。機関区が置かれ、多くの鉄道員が暮らす「鉄道の町」として栄えました。

転機は1934年12月に訪れます。熱海と函南のあいだに丹那トンネルが開通し、東海道本線は海沿いの熱海経由に付け替えられました。山を回り込んでいた国府津〜御殿場〜沼津は、この日から「御殿場線」というローカル線になります。戦時中の1943年ごろには、複線だった線路の片方がはがされて資材に回され、単線になりました。いまも沿線のトンネルや橋のそばに、もう一本分の線路が通っていた跡が見られる場所があります。

主役の座を降りた御殿場線に、新しい役割を持ち込んだのが小田急でした。1955年、新宿から御殿場線へ乗り入れる列車が走り始め、1968年の電化を経てロマンスカーが直接入ってくるようになります。かつての大動脈は、いまは富士山と箱根の「裏口」へ旅人を運ぶ線路として生きています。

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あののんびりした御殿場線が、昔は東京と大阪を結ぶ本線やったんか。急に「元エース」に見えてきたぞ

二本のロマンスカーと、それをつなぐ線

このエリアの乗り物は、役割で整理するとすっきりします。

乗り物 主な区間 役割
ロマンスカー「はこね」 新宿 → 小田原 → 箱根湯本 箱根の東の玄関口へ。本数が多く、旅の起点にしやすい
ロマンスカー「ふじさん」 新宿 → 松田 → 御殿場 箱根の西側・富士山の東麓へ。1日3往復ほどの少数精鋭
箱根の山の乗り物 箱根湯本 → 強羅 → 早雲山 → 大涌谷 → 桃源台 登山電車・ケーブルカー・ロープウェイを乗り継いで山を越える
御殿場方面のバス 桃源台・仙石原 → 御殿場駅(乙女口) 箱根の山上と御殿場を結ぶ「ミッシングリンク」
JR御殿場線 国府津 → 松田 → 山北 → 駿河小山 → 御殿場 → 裾野 → 沼津(主な駅) 旧東海道本線。御殿場から沼津へ下る寄り道にも

はこね:箱根の東の玄関口

新宿から箱根湯本まで乗り換えなしで向かうロマンスカーです。所要はおおよそ1時間半弱が目安で、本数も多く、箱根旅の起点として使いやすい列車です。前面展望席のある車両に当たれば、それだけで旅の気分が上がります。詳しくはロマンスカー・はこねの記事で整理しています。

ふじさん:御殿場線へ入るただひとつのロマンスカー

新宿から小田急線を下り、松田でJR御殿場線に乗り入れて御殿場まで向かう列車です。新宿〜御殿場はおおよそ1時間半あまり。1日3往復ほどしかないため、「来た列車に乗る」のではなく「乗る列車を決めてから組み立てる」のが基本になります。会社の境目を越えるしくみはロマンスカーふじさんの記事で詳しく解説しています。

御殿場線:山の北側を回る旧本線

国府津から松田、山北を経て御殿場の高原へ上り、裾野を通って沼津へ下る路線です。運行はJR東海で、ロマンスカーが乗り入れるのは松田〜御殿場だけ。御殿場〜沼津は普通列車で、本数はおおむね1時間に1〜2本程度が目安です。御殿場から沼津まではおおよそ40分前後で、富士山を横に見ながら高原を下っていきます。

ふじさんの走行イメージを地図で見る

新宿から小田急線を下り、松田で御殿場線に乗り入れて御殿場へ向かうロマンスカーの走行イメージを、地図上のシミュレーション表示で確認できます。

マップを開く →

箱根を「通り抜ける」周回ルート

この旅のいちばんの醍醐味は、行きと帰りで違うロマンスカーに乗り、そのあいだで箱根の山を越えることです。代表的なのは、東から入って西へ抜ける次の流れです。

新宿 →(ロマンスカー はこね)→ 箱根湯本 →(箱根登山電車)→ 強羅 →(ケーブルカー)→ 早雲山 →(ロープウェイ・大涌谷経由)→ 桃源台 →(バス)→ 仙石原 → 御殿場駅 →(ロマンスカー ふじさん)→ 新宿

登山電車とロープウェイで、山を登りきる

箱根湯本から強羅までの登山電車は、おおよそ40分前後。急な坂を少しずつ上るために、途中で3回も進行方向を変える「スイッチバック」を繰り返します。強羅からケーブルカーで早雲山へ上がり、ロープウェイに乗り継げば、噴煙の上がる大涌谷を眼下に見ながら芦ノ湖のほとりの桃源台まで空中散歩です。時間に余裕があれば、桃源台から海賊船で芦ノ湖を渡る寄り道もできます。

なお、大涌谷周辺は火山活動の状況によって立ち入りやロープウェイの運行が制限されることがあります。強風や点検で運休する日もあるため、出かける前に運行状況を確認しておくと安心です。

山の上から御殿場へ、バスで下る

桃源台や仙石原から御殿場駅へは、箱根登山バスや小田急箱根高速バスの路線が結んでいます。仙石原を出て乙女峠のあたりを越えると、道の先に富士山が大きく現れ、御殿場の町へ下っていきます。所要は30〜40分ほどが目安ですが、週末や連休は道路が混みやすく、時間が読みにくくなります。

ここが周回の要です。ふじさんは本数が少ないため、帰りのふじさんの指定席を先に押さえ、そこから逆算してバスの時間を決めるのが確実です。御殿場駅にはバスで着く「乙女口」側と、反対側の出口があるので、乗り換えの時間には少し余裕を見てください。

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電車、ケーブル、ロープウェイ、バス、またロマンスカー。乗り物ガチャを一日で全部引いてる感じで、これは子どもより大人のほうがはしゃぐやつやわ

逆回りもできる

もちろん、行きにふじさんで御殿場へ入り、帰りを箱根湯本からのはこねにする逆回りも組めます。朝のうちに御殿場で富士山を眺め、午後は箱根の温泉でゆっくりしてから帰る、という順番です。帰りのはこねは本数が多いので時間の自由がききやすく、「最後は温泉で締めたい」人にはこちらが向いています。

御殿場で降りたら、もう少し先の沼津へ

御殿場は富士山の東側に広がる高原の町です。駅からは御殿場プレミアム・アウトレットへの無料シャトルバスが出ていて、富士山を眺めながらの買い物を目当てに訪れる人も多くいます。秩父宮ご夫妻が暮らした別邸を公開する秩父宮記念公園も、静かに過ごせるスポットです。

そして、ふじさんの終点・御殿場から先も線路は続いています。御殿場線の普通列車で南へ下ると、裾野のあたりで富士山の裾野がゆるやかに広がり、やがて終点の沼津に着きます。かつてのロマンスカー「あさぎり」が走っていた区間でもあります。

沼津といえば、港のそばに食堂が並ぶ沼津港です。地元名産の干物や、駿河湾の魚を使った海鮮丼が楽しめ、深海魚を集めた沼津港深海水族館もあります。沼津駅から港へはバスか、歩くと25分前後が目安です。

沼津から帰ると、箱根を一周したことになる

沼津からの帰り道は、東海道線で隣の三島へ出て新幹線に乗るか、東海道線で熱海・小田原方面へ戻るのが一般的です。東海道線で熱海へ向かうと、列車は函南を過ぎて丹那トンネルをくぐります。

つまりこのルートでは、行きにかつての東海道本線(御殿場線)で箱根の北側を回り、帰りにいまの東海道本線(丹那トンネル経由)で南側を抜けることになります。新旧二本の「東海道」に一日で乗り、箱根の山をぐるりと一周する旅です。

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沼津港で干物定食と海鮮丼、どっちにするかで30分は悩む自信あるわ...どうせなら両方いったろかな

モデルルート:日帰りなら片側、1泊なら一周

日帰り①:箱根を通り抜けて御殿場へ

はこねで箱根湯本へ → 登山電車・ケーブルカー・ロープウェイで芦ノ湖へ → 桃源台・仙石原からバスで御殿場へ → アウトレットか駅周辺で少し過ごし、ふじさんで新宿へ。乗り物の乗り継ぎが多いぶん、箱根の観光は「大涌谷と芦ノ湖」くらいに絞ると時間に余裕が出ます。

日帰り②:御殿場線で沼津へ下る

ふじさんで御殿場へ → 御殿場線で沼津へ → 沼津港で昼食・散策 → 東海道線で三島へ出て新幹線で帰る。箱根の山には登りませんが、旧東海道本線の高原越えと港町の両方を味わえます。

1泊2日:箱根に泊まって、ぐるりと一周

1日目ははこねで箱根湯本へ入り、登山電車で強羅や宮ノ下あたりまで上って温泉宿に一泊。2日目はケーブルカーとロープウェイで芦ノ湖へ抜け、バスで御殿場へ。御殿場線で沼津まで下って港で昼食をとり、東海道線で熱海・小田原方面へ戻れば、丹那トンネルをくぐって箱根の一周が完成します。宿を仙石原に取ると、御殿場へのバスに乗りやすくなります。

きっぷとICカードの注意点

会社や路線をまたぐ旅なので、支払いまわりにはいくつか注意点があります。

最新の時刻や運賃、フリーパスの内容は、小田急電鉄・箱根ナビ・JR東海の公式情報で確認してから出かけてください。

泊まるなら、山の上か富士山のふもとに

一泊するなら、周回の向きに合わせて宿を選ぶのがコツです。東から西へ抜けるなら強羅・宮ノ下・仙石原などの箱根の山上、逆回りや沼津まで足をのばすなら御殿場周辺が候補になります。御殿場に泊まると、空気の澄んだ朝に富士山を正面から眺められるチャンスが増えます。

ロマンスカーと宿をまとめて考えたい場合は、楽天トラベルなどの宿泊予約サイトで、箱根と御殿場の両方のエリアを見比べてみるのもひとつの方法です。紅葉の時期や連休の箱根は宿が早めに埋まりやすいので、日程が決まったら宿から押さえておくと計画が立てやすくなります。

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夜は箱根の温泉でふやけて、朝は御殿場で富士山とご対面。アラフォーの一泊旅行としては、これ以上ない欲張りプランやろ。いつか絶対やるぞ!

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まとめ

御殿場・箱根・沼津の旅は、乗り物の役割で整理すると迷わなくなります。

次に東海道新幹線や東海道線で丹那トンネルをくぐるとき、北側の山の向こうを少しだけ想像してみてください。そこには、かつて蒸気機関車が二台がかりで坂を登っていた、もうひとつの東海道があります。いまはロマンスカーが富士山へ向かい、普通列車がのんびり高原を下っていく線路です。一度その線路に乗ってみると、いつもの箱根旅が、山をぐるりと回る旅に変わるはずです。

関連情報

本記事は2026年11月時点の情報をもとに個人が整理した解説コラムです。 最新の運行状況・運賃・フリーパスの範囲・バスの路線や時刻等は、必ず公式情報でご確認ください。