ふじかわ完全ガイド|静岡〜甲府の停車駅・373系・富士川と富士山をさかのぼる身延線特急の乗り方
💡 まずはここだけ!3つの要点
- ふじかわは、静岡〜甲府を東海道本線と身延線を乗り継いで結ぶJR東海の特急。名の由来は日本三大急流のひとつ富士川で、その名のとおり富士川に沿って富士山を仰ぎながら山梨へ北上する
- 車両は1995年デビューの373系(3両・普通車のみ)。富士駅で進行方向が変わるスイッチバックがあり、この一手間が身延線特急ならではの見どころ
- 途中の身延では日蓮宗総本山・身延山久遠寺、終点の甲府ではあずさ・かいじに乗り継いで新宿方面へ。静岡側は東海道新幹線とも接続する
ふじかわは、静岡から山梨県の県都・甲府までを、東海道本線と身延線を乗り継いで結ぶJR東海の特急列車です。列車名は、静岡と山梨の県境をつらぬく大河で、日本三大急流のひとつにも数えられる富士川にちなみます。その名のとおり、富士川に寄り添い、富士山を仰ぎながら本州の内陸へと分け入っていく、旅情のある山越え特急です。 この記事では、ふじかわのルートと運行イメージ、1995年デビューの373系、富士駅でのスイッチバック、清水・富士・富士宮・身延・下部温泉・甲府といった停車駅、甲府でのあずさ・かいじへの乗り継ぎ、予約のコツから、身延山久遠寺・下部温泉・甲府の旅プランまで解説します。
ふじかわとは — 富士川に沿って甲府をめざす身延線特急
ふじかわは、静岡と甲府を結ぶ特急です。静岡を出た列車は、まず東海道本線を東へ進んで清水・富士へ向かい、富士で身延線に入って進路を北へ転じます。ここから先は、富士川の流れに沿うように、富士宮・身延・下部温泉・鰍沢口(かじかざわぐち)と、駿河湾ぞいの街から富士山麓、そして甲府盆地へと、標高を上げながら本州の内陸へ分け入っていきます。
身延線は、静岡側の富士と山梨側の甲府をつなぐローカル線ですが、その背骨を1日数往復のふじかわが特急として走り、両県を直通で結ぶ役割を担っています。静岡側では東海道新幹線や東海道本線、甲府側では中央本線のあずさ・かいじと接続し、太平洋側と首都圏方面の双方へ人を橋渡しする一本です。派手さはありませんが、富士川と富士山という主役級の車窓を抱えた、味わい深い特急といえます。
373系 — 大きな窓で車窓を楽しむJR東海の特急電車
ふじかわを走るのは、JR東海の特急形電車373系です。身延線は電化されているため、ふじかわは気動車ではなく電車で運行されます。373系は、ふじかわの運転開始に合わせて1995年にデビューした車両で、3両編成・普通車のみ(グリーン車なし)のシンプルな構成が特徴。大きな窓と、デッキと客室を仕切るガラスの引き戸、区切られた半個室風のスペースなど、短めの編成ながら車窓を楽しみやすいつくりになっています。
座席は、指定席と自由席が設定されるのが基本です。本数が限られる特急なので、確実に座りたいときや、甲府であずさ・かいじへ通しで乗り継ぐときは、指定席を選んでおくと安心。373系は静岡地区の東海道本線でも幅広く活躍してきたベテランで、飾らないけれど質実な乗り味が持ち味です。最新の車両運用や座席区分は変わることがあるため、詳しくは公式サイトでご確認ください。
運行会社と運行区間
- 運行会社: JR東海(東海旅客鉄道)
- 運行区間: 静岡〜甲府(東海道本線・身延線経由)
- 使用車両: 373系(特急形電車・3両編成)/普通車(指定席・自由席)
- 運行頻度: 1日およそ7往復程度が目安(時期・ダイヤ改正により変動)
- 所要時間: 静岡〜甲府でおおよそ2時間強が目安(列車や停車駅により前後する)
ふじかわは、こまめに何本も走るタイプの特急ではなく、1日に数往復がゆったり行き交う特急です。本数が限られるぶん、乗る列車の時間を先に決めてから旅程を組み立てると安心。静岡側では東海道新幹線や東海道本線、甲府側ではあずさ・かいじとの乗り継ぎを意識すると、首都圏方面へも太平洋側へもつながる動線が見えてきます。
下り(静岡 → 甲府)の主な停車駅
静岡 → 清水 → 富士 → 富士宮 → 西富士宮 → 身延 → 下部温泉 → 鰍沢口 → 市川大門 → 甲府
上に挙げたのは代表的な停車駅の一例で、列車によって停車駅は多少異なります。静岡を出たふじかわは、東海道本線で清水を経て富士へ向かい、富士で身延線に入って進路を北へ転じます。上りも同じ経路を甲府から静岡へ向かって戻ります。 実際の発着時刻はダイヤ改正や季節の臨時運転で変わるため、最新の時刻は JR東海(東海旅客鉄道) 等の公式時刻表でご確認ください。
ふじかわの見どころのひとつが、富士駅でのスイッチバック(進行方向転換)です。静岡から東海道本線を東へ走ってきた列車は、富士で身延線へ入るために進む向きを変えます。このため、東海道本線を走る区間(とくに下り甲府ゆき)では、座席が進行方向と逆向きにセットされていることがあります。気になる場合は乗車後に座席を回転させて向きを合わせられますが、そもそもこの一手間こそが身延線特急ならではの味わい。富士で列車の向きが変わる瞬間も、旅の小さな見どころです。
甲府・静岡での接続 — あずさ・かいじ・東海道新幹線へ
ふじかわの使い勝手を語るうえで大切なのが、両端での乗り継ぎです。終点の甲府は中央本線が通る山梨の玄関口で、新宿方面へ向かうあずさ・かいじに乗り継げば、首都圏や松本・信州方面へと足を延ばせます。反対の静岡側では、東海道新幹線のひかり・こだまや東海道本線と接続。名古屋・大阪方面や東京方面から新幹線で静岡まで来て、ふじかわで身延・甲府へ抜ける、という組み立てもできます。ふじかわは単独では短めの区間の特急ですが、両端の乗り継ぎを組み合わせることで、太平洋側と内陸・首都圏をつなぐ一本になります。
富士川と富士山をさかのぼる — ふじかわの車窓
ふじかわの車窓は、名前のとおり富士川と富士山という二枚看板が魅力です。静岡を出て清水・富士へ向かう東海道本線の区間では、駿河湾ごしの海の眺めや、天気が良ければ大きな富士山が姿を見せます。富士から身延線に入ると、こんどは富士川の流れに寄り添いながら、少しずつ標高を上げていきます。
富士宮のあたりは、富士山の裾野に広がる高原の街。車窓からも、条件が合えば端正な富士山の姿を望めます。身延・下部温泉と北へ進むにつれ、川と山がぐっと迫り、日本三大急流に数えられる富士川の渓谷らしい、引き締まった風景に変わっていきます。鰍沢口を過ぎて甲府盆地に入ると視界がひらけ、山々に囲まれた甲府の街並みへ。ふじかわは速さを競う特急ではなく、富士川ぞいの峡南(きょうなん)から甲府盆地へと移り変わる景色をゆっくり味わうための一本です。
車両と座席・料金の目安
ふじかわは、グリーン車のない普通車のみで構成され、指定席と自由席が設定されるのが基本です。静岡〜甲府はおよそ2時間強と、ほどよい乗車時間。本数が限られるため、確実に乗りたい列車が決まっているなら、指定席で座席を押さえておくと安心です。富士川ぞいや富士山側の景色を狙うなら、進行方向と窓側を意識して席を選ぶのもおすすめです。
座席・設備の種類(目安)
| タイプ | 特徴 | 区分 |
|---|---|---|
| 普通車指定席 | 座席をあらかじめ確保できる指定席。本数が限られるふじかわでは、乗る列車を決めて確実に座りたいときや、甲府であずさ・かいじへ通しで乗り継ぐときに安心 | 確実に座りたい人向け |
| 普通車自由席 | 空いていれば手軽に乗れる自由席。区間利用や、時間を選ばず気軽に乗りたいときに便利 | 気軽に乗りたい人向け |
上の表は代表的な構成を整理したもので、座席の区分や設備、指定席・自由席の扱いは車両や列車によって変わることがあります。詳しくは公式サイトの車両・座席案内でご確認ください。
料金の目安
ふじかわに乗るには、乗車券に加えて特急券が必要です。甲府であずさ・かいじに、静岡で東海道新幹線に乗り継ぐ場合も、きっぷは出発地から目的地まで通しで手配できます。往復の割引きっぷや、宿とセットになったお得なプラン(旅行商品)が用意されていることもあり、うまく使うと個別に手配するより手軽で割安になる場合があります。 具体的な金額は区間・時期・きっぷの種類によって変わるため、購入時に最新の情報をご確認ください。身延山や下部温泉、甲府に泊まる場合は、往復の交通と宿を合わせて手配すると計画が立てやすくなります。 宿の予約は楽天トラベルで、下部温泉や甲府市内の宿、身延山の宿坊などから絞り込んで探すと便利です。
ふじかわで行く旅 — 身延山・下部温泉・甲府
ふじかわの魅力は、富士川ぞいに一本で分け入り、そこから山あいのお寺や温泉、そして甲府盆地の観光へと旅を広げていけること。終点の甲府はもちろん、途中の富士宮・身延・下部温泉にも、途中下車したくなる見どころが点在しています。
- 身延山久遠寺(身延駅からバス): 日蓮宗の総本山として知られる古刹。287段の石段「菩提梯」や、樹齢400年ともいわれるしだれ桜(春)が有名で、ロープウェイで奥之院のある山頂へ上れば富士山や駿河湾の眺めも楽しめる
- 下部温泉(下部温泉駅下車): 武田信玄の隠し湯として伝わる、山あいの静かな湯治場。ぬるめの湯にゆっくりつかる、昔ながらの温泉情緒が残る
- 富士山本宮浅間大社(富士宮駅から徒歩): 全国に約1300社ある浅間神社の総本宮。富士山を御神体とする格式ある神社で、湧玉池の澄んだ水も見どころ。門前で味わう富士宮やきそばも名物
- 武田神社(甲府駅からバス): 武田信玄をまつる神社で、躑躅ヶ崎館(つつじがさきやかた)の跡に建つ。甲府の街歩きとあわせて訪ねたい、山梨きっての名所
- 昇仙峡(甲府駅からバス): 花崗岩の断崖と清流がつくる渓谷美で知られる景勝地。覚円峰や仙娥滝など見どころが多く、甲府からの日帰り自然散策にちょうどいい
- 甲府のワインと甲州グルメ(甲府駅周辺): 山梨は日本を代表するワインの産地。市内やその周辺にはワイナリーが点在し、甲府では鳥もつ煮やほうとうといった郷土の味も楽しめる
途中下車で楽しめるスポット
ふじかわは、終点まで行かずに途中の街で降りるのも楽しい列車です。富士川ぞいの沿線に、旅心をくすぐる寄り道先が点在しています。
- 富士宮(富士宮駅下車): 富士山本宮浅間大社の門前町で、名物・富士宮やきそばの本場。富士山の裾野に広がる高原の街で、天気が良ければ大きな富士山を望める
- 身延(身延駅下車): 身延山久遠寺への玄関口。門前町の風情や、春のしだれ桜、山頂からの眺めなど、ゆっくり時間をとって訪ねたい
- 下部温泉(下部温泉駅下車): 信玄の隠し湯と伝わる静かな湯の里。乗り継ぎのあいだに立ち寄って、山あいの温泉情緒にひたるのもいい
- 甲府(甲府駅下車): 武田神社・甲府城(舞鶴城公園)・昇仙峡・ワインと見どころが集まる山梨の中心。あずさ・かいじへの乗り継ぎ拠点でもある
予約・チケット入手のコツ
ふじかわは、身延線の日常の足であると同時に、身延山への参拝や下部温泉、甲府観光、あずさ・かいじや東海道新幹線との乗り継ぎ需要も集まる列車です。1日およそ7往復と本数が限られるので、まずは乗る列車の時刻を先に押さえるのが計画のコツ。ふだんは比較的乗りやすい特急ですが、身延山のしだれ桜の時期や紅葉シーズン、連休・年末年始やお盆には指定席が埋まりやすくなります。繁忙期は、ふじかわと宿を早めに押さえておくと安心です。
発売開始と予約方法
- 発売開始: 特急券は乗車日の一定期間前から購入できる(連休・行楽期は早めに埋まりやすい)
- 主な予約手段:
- JRのインターネット予約サービス(スマホ・PCから座席指定ができて便利)
- JRの主要駅の「みどりの窓口」・券売機
- 往復の割引きっぷや、宿がセットになった旅行商品も検討
取りやすさのコツ
- 本数が少ないので、行き帰りの時刻を先に確認し、それに合わせて旅程を組むのが最大のコツ
- 甲府であずさ・かいじへ、静岡で東海道新幹線へ乗り継ぐなら、通しで手配しておくと乗り換えを落ち着いて楽しめる
- 身延山の桜・紅葉シーズンや連休・帰省期は混みやすいので、指定席は早めの予約が安心
- 富士川や富士山側の車窓を狙うなら、進行方向と窓側を意識して座席を選ぶとよい(富士駅で進行方向が変わる点にも注意)
よくある質問
Q. ふじかわにグリーン車はありますか?
ふじかわは、グリーン車のない普通車のみの373系で運行されるのが基本です。座席は指定席と自由席が設定されます。静岡〜甲府はおよそ2時間強と乗車時間はほどよい長さですが、本数が限られるため、確実に乗りたい列車があるなら指定席を選んでおくと安心です。最新の座席区分は公式情報でご確認ください。
Q. 富士駅で進行方向が変わるって本当ですか?
はい。ふじかわは、静岡から東海道本線を走って富士に着いたあと、身延線へ入るために富士で進行方向を変えます(スイッチバック)。このため、東海道本線を走る区間では座席が進行方向と逆向きになっていることがあります。気になる場合は乗車後に座席を回転させて向きを合わせられます。列車の向きが変わる瞬間も、身延線特急ならではの小さな見どころです。
Q. ふじかわから新宿・松本方面へはどう行けばいいですか?
終点の甲府で中央本線の特急あずさ・かいじに乗り継ぐのが基本です。あずさは甲府から新宿方面や松本・信州方面へ、かいじは甲府〜新宿を結びます。反対に静岡側では東海道新幹線と接続するため、名古屋・大阪方面や東京方面からのアクセスにも使えます。乗り継ぎ時間はタイトなこともあるので、指定席なら出発地から目的地まで通しで手配しておくと安心です。
関連情報
本ガイドは2026年9月時点の情報をもとに作成しています。 ダイヤ改正・車両運用変更・運休等の最新情報は、運行会社の公式サイトをご確認ください。
- 運行会社公式: JR東海(東海旅客鉄道)
- 山梨の観光: 富士の国やまなし観光ネット(山梨県観光情報)