富士回遊完全ガイド|新宿〜河口湖の停車駅・E353系・大月で分かれて富士山の麓へ直通する特急の乗り方
💡 まずはここだけ!3つの要点
- 富士回遊は、新宿から中央本線と富士急行線を直通し、河口湖まで乗り換えなしで結ぶJR東日本の特急。かつて大月での乗り換えが当たり前だった富士五湖アクセスを大きく変えた一本
- 新宿〜河口湖はおおよそ2時間弱が目安。使用車両はあずさ・かいじと同じE353系で全車指定席。定期はおおむね1日3往復程度で、行楽期には臨時列車が加わる
- 最大のポイントは、新宿〜大月をあずさ・かいじと連結して走り、大月で切り離すしくみ。乗る号車をまちがえると松本・甲府方面へ運ばれるため、河口湖行きが何号車かの事前確認が大切
富士回遊(ふじかいゆう)は、新宿から中央本線・富士急行線を直通し、富士五湖の玄関口・河口湖までを乗り換えなしで結ぶJR東日本の特急です。 2019年にデビューし、それまで大月での乗り換えが前提だった富士山の麓へのアクセスを、都心から一本で行ける身近な旅先へと変えました。 この記事では、あずさ・かいじと連結して大月で切り離すしくみ、E353系・全車指定席という乗り方、富士山駅のスイッチバックや車窓、新倉山浅間公園・大石公園・富士急ハイランドといった観光アクセスから予約のコツまで解説します。
富士回遊とは — 「見る富士山」から「行く富士山」へ
新幹線や飛行機からはあれほど大きく見えるのに、いざ電車で麓へ行こうとすると、とたんに難しく感じる——それが富士山でした。富士五湖の中心・河口湖へは、長らく中央本線の特急で大月まで行き、そこで富士急行線に乗り換えるのが定番。旅慣れていないと、この乗り換えがちょっとしたハードルでした。
その景色を変えたのが、2019年に登場した特急富士回遊です。新宿から中央本線を西へ走り、大月からそのまま富士急行線へ乗り入れて、河口湖まで直通します。乗り換えなしで都心と富士山の麓がつながったことで、河口湖は「新幹線の車窓から眺める山」から「思い立って電車で会いに行ける山」へと、ぐっと近づきました。派手な観光列車ではありませんが、富士山への旅の入口を大きく広げた一本です。
あずさ・かいじと連結して走る — 大月で分かれるしくみ
富士回遊のいちばんの特徴が、新宿〜大月をあずさ・かいじと連結して走り、大月で切り離すという運行のしかたです。多くの列車は、松本方面へ向かうあずさ(または甲府方面のかいじ)の後ろに富士回遊がつながった状態で新宿を出発し、大月に着くと切り離されて、富士回遊だけが富士急行線へと入っていきます。
この方式で気をつけたいのが、乗る号車をまちがえないことです。同じ列車に見えても、前寄りの車両は松本・甲府方面、後ろ寄りの富士回遊の車両が河口湖方面、というように行き先が分かれます。うっかり違う号車で寝てしまうと、河口湖のつもりが甲府や松本まで運ばれてしまう——ということも起こりえます。全車指定席なので、きっぷに書かれた号車・座席が河口湖行き(富士回遊)であることを、乗る前にしっかり確認しておきましょう。
| 区間 | 走り方 | ポイント |
|---|---|---|
| 新宿 〜 大月 | あずさ・かいじと連結して1本の列車として走る | 前寄り=松本・甲府方面/後ろ寄り=富士回遊(河口湖方面)に分かれる |
| 大月 〜 河口湖 | 切り離されて富士回遊だけが富士急行線へ直通 | ここから先は富士急行線。運賃の扱いがJRと別になる(後述) |
新宿から河口湖へ — 富士回遊の車窓と富士山駅のスイッチバック
新宿を出た富士回遊は、立川・八王子と多摩地区の街を抜け、相模湖のあたりから山あいの風景へと入っていきます。大月で切り離されて富士急行線に入ると、線路はぐんぐん高度を上げ、車窓の正面や横に富士山がだんだん大きく育っていくのがこの区間の楽しみです。晴れた日には、駅や集落の向こうにそびえる富士山が、進むほどに迫力を増していきます。
途中の富士山駅(旧・富士吉田駅)では、列車の進行方向が変わるスイッチバックが行われます。ここで向きを変えてから、富士急ハイランドを経て終点・河口湖へ。乗っているだけで景色と列車の動きの両方が楽しめる、変化に富んだ道のりです。新宿〜河口湖は、おおよそ2時間弱が目安になります。
E353系 — 富士回遊を走る全車指定席の特急
富士回遊に使われているのは、あずさ・かいじと同じE353系という特急車両です。新宿〜大月を一本で走るために連結できる設計で、大きな窓とゆったりした座席、各座席の電源など、中央本線の特急らしい快適さを備えています。富士回遊は、このE353系のうち切り離される側の編成が担当します。
富士回遊は全車指定席で、乗るには乗車券に加えて指定席特急券が必要です。自由席はないため、あらかじめ座席を確保して乗るスタイルになります。行楽シーズンの週末などは早くに満席になることもあるので、旅程が決まったら早めに押さえておくと安心です。
もう一つ覚えておきたいのが、大月から先の富士急行線内は、JRとは別の運賃がかかることです。きっぷは通しで購入できますが、料金の内訳としてはJR区間(新宿〜大月)と富士急行線区間(大月〜河口湖)に分かれています。第三セクター区間を直通する特急にみられるしくみで、乗車前にきっぷの内容を確認しておくと戸惑いません。
運行会社と運行区間
- 運行会社: JR東日本(東日本旅客鉄道)/富士山麓電気鉄道(富士急行線)に直通
- 運行区間: 新宿〜河口湖(中央本線・富士急行線経由)
- 使用車両: E353系(あずさ・かいじと共通の特急車両。全車指定席)
- 運行頻度: 定期はおおむね1日3往復程度、行楽期には臨時列車が加わる(時期により変動)
- 所要時間: 新宿〜河口湖でおおよそ2時間弱が目安(列車や停車駅により前後する)
富士回遊は、新宿から立川・八王子・大月といったJR中央本線の主要駅に停まり、大月から富士急行線へ入って河口湖を目指します。停車駅は列車によって多少異なりますが、下記の駅が基本の停車駅というイメージで捉えると分かりやすいでしょう。
下り(新宿 → 河口湖)の主な停車駅
新宿 → 立川 → 八王子 → 大月 →〔富士急行線〕都留文科大学前 → 富士山 → 富士急ハイランド → 河口湖
大月までは、あずさ・かいじと連結して走ります。大月で切り離されたあとは富士急行線に入り、都留文科大学前・富士山・富士急ハイランドに停まって河口湖へ。上り(河口湖 → 新宿)も、基本的には同じ主要駅に停車します。 実際の発着時刻はダイヤ改正や季節の臨時運転で変わるため、最新の時刻は JR東日本(公式サイト) 等の公式時刻表でご確認ください。
車両と座席・料金の目安
富士回遊は、E353系の全車指定席で運行されています。普通車の指定席が中心で、大きな窓から富士山の車窓を楽しめるのが魅力です。全車指定席のため、乗るには指定席特急券が必要になります。1〜2時間ほどの乗車ですが、座席が確保されている安心感があり、行楽期でも落ち着いて移動できます。
座席・きっぷの種類(目安)
| タイプ | 特徴 | 区分 |
|---|---|---|
| 普通車(指定席) | 富士回遊の基本の座席。大きな窓と電源を備えたE353系で、富士山の車窓を楽しみやすい | 全車指定席(乗車には指定席特急券が必要) |
| 通し購入のきっぷ | 新宿〜河口湖を通しで購入できる。料金はJR区間と富士急行線区間に分かれている | 富士急行線内は別運賃の扱い |
上の表は代表的な構成を整理したもので、座席の設備やきっぷの取り扱いは車両や時期によって変わることがあります。詳しくは公式サイトの案内でご確認ください。
料金の目安
富士回遊に乗るには、乗車券に加えて指定席特急券が必要です。料金は新宿〜大月のJR区間と、大月〜河口湖の富士急行線区間に分かれており、通しで購入できます。具体的な金額は区間・時期・きっぷの種類によって変わるため、購入時に最新の情報をご確認ください。 河口湖に泊まってゆっくり富士山を眺めるなら、往復の交通と宿を合わせて手配すると計画が立てやすくなります。 宿の予約は楽天トラベルで、河口湖畔の温泉宿や、富士山ビューの部屋がある宿から絞り込んで探すと便利です。
富士回遊で行く河口湖・富士五湖の旅 — 五重塔から湖畔・遊園地まで
河口湖は、湖畔の散策から富士山の絶景スポット、遊園地までがコンパクトにまとまった、富士山観光の拠点です。富士回遊で新宿からひとっ飛びして、そこからバスや徒歩、富士急行線の普通列車で足をのばす——そんな組み立てがしやすいのが魅力です。
- 新倉山浅間公園(下吉田駅から徒歩・富士急行線の普通列車で): 五重塔(忠霊塔)と富士山、桜や街並みを一枚におさめられる、写真で有名な絶景スポット。展望デッキまでは約398段の階段を上る。富士回遊は下吉田に停まらないため、富士山駅などで普通列車に乗り換えて向かう
- 大石公園(河口湖駅からバス): 河口湖の北岸にあり、湖ごしに富士山を望む定番スポット。季節の花(初夏のラベンダーなど)と富士山を一緒に楽しめる
- 天上山公園・カチカチ山ロープウェイ(河口湖駅から徒歩・バス): ロープウェイで山上へ上がると、河口湖と富士山を見晴らす展望台に。昔話「カチカチ山」をモチーフにした遊び心のある名所
- 北口本宮冨士浅間神社(富士山駅からバス・徒歩): 富士山信仰の歴史ある古社で、参道の杉並木と社殿が荘厳。世界文化遺産・富士山の構成資産のひとつ
- 富士急ハイランド(富士急ハイランド駅すぐ): 富士山を背にした絶叫マシンで知られる遊園地。富士回遊が駅前に直接停まるので、家族連れやグループでのアクセスがよい
- 河口湖遊覧船(河口湖駅からバス・徒歩): 湖上から富士山を眺めるクルーズ。湖畔の散策やロープウェイと組み合わせると、河口湖をぐるりと満喫できる
途中下車で楽しめるスポット
富士回遊は停車駅が絞られていますが、富士急行線内の駅からは、富士山ならではの見どころへ足をのばせます。時間に余裕があれば、普通列車と組み合わせて途中の街に立ち寄るのも楽しみ方のひとつです。
- 富士山(富士山駅下車): 富士吉田の中心で、北口本宮冨士浅間神社や吉田のうどん、レトロな商店街への起点。スイッチバックが行われる駅としても知られる
- 下吉田(下吉田駅下車・富士急行線の普通列車で): 新倉山浅間公園の最寄り。五重塔と富士山の絶景を目当てに、世界中から旅行者が訪れる。富士回遊は停まらないため普通列車に乗り換える
- 都留文科大学前・都留市(都留文科大学前駅下車): 学生街の落ち着いた雰囲気と、湧水の里・都留の水辺。富士山麓のくらしにふれられるエリア
予約・チケット入手のコツ
富士回遊は全車指定席で本数も限られるため、行楽シーズンの週末や連休、桜・紅葉の時期は早くに満席になりやすい列車です。乗りたい列車が決まったら、発売開始のタイミングを狙って早めに予約するのがおすすめです。もし満席でも、あずさ・かいじで大月まで行き、富士急行線の普通列車に乗り換えれば河口湖へ行けるので、あきらめずに代替ルートも検討しましょう。
発売開始と予約方法
- 発売開始: 指定席特急券は乗車日の一定期間前から購入できる(行楽期や連休は早めに埋まりやすい)
- 主な予約手段:
- JR東日本のインターネット予約サービス「えきねっと」(スマホ・PCから座席指定ができて便利)
- JRの主要駅の窓口・指定席券売機
- 富士急行線内は別運賃のため、きっぷの内容(JR区間+富士急行線区間)を確認しておく
取りやすさのコツ
- 桜・新緑・紅葉のシーズンや連休は競争率が高い。旅程が決まり次第、早めに指定席を押さえる
- 満席のときは、あずさ・かいじ+大月乗り換え(富士急行線の普通列車)で河口湖へ行く手もある
- 富士山を車窓で楽しむなら、進行方向に対して山の見える窓側の座席を選ぶとよい(見え方は天候次第)
- 大月で切り離されるため、乗車前にきっぷの号車・座席が河口湖行き(富士回遊)であることを必ず確認する
よくある質問
Q. 富士回遊に自由席はありますか?
いいえ。富士回遊は全車指定席で運行されており、自由席はありません。乗車には、乗車券に加えて指定席特急券が必要です。行楽期の週末などは満席になりやすいので、旅程が決まったら早めに座席を確保しておくと安心です。
Q. 大月で切り離されると聞きました。何に気をつければいいですか?
富士回遊は新宿〜大月をあずさ・かいじと連結して走り、大月で切り離されます。同じ列車でも、前寄りの車両は松本・甲府方面、後ろ寄りの富士回遊の車両が河口湖方面、というように行き先が分かれます。きっぷに記載された号車・座席が河口湖行き(富士回遊)であることを、乗る前に必ず確認してください。違う号車に乗ってしまうと、河口湖ではなく甲府や松本方面へ運ばれてしまうことがあります。
Q. 富士急行線内は別料金になりますか?
大月から先の富士急行線区間(大月〜河口湖)は、JRとは別の運賃がかかります。きっぷは新宿から河口湖まで通しで購入できますが、料金の内訳はJR区間と富士急行線区間に分かれています。詳しい金額や購入方法は、購入時に公式の案内でご確認ください。
関連情報
本ガイドは2026年8月時点の情報をもとに作成しています。 ダイヤ改正・車両運用変更・運休等の最新情報は、運行会社の公式サイトをご確認ください。
- 運行会社公式(JR): JR東日本(公式サイト)
- 直通先の鉄道(富士急行線): 富士山麓電気鉄道(富士急行線)
- 河口湖・富士五湖観光: 富士河口湖町観光連盟