つがる・スーパーつがる完全ガイド|秋田〜青森の停車駅・E751系・新幹線が北へ延びるたびに居場所を変えてきた奥羽本線特急の乗り方
💡 まずはここだけ!3つの要点
- 秋田〜青森を奥羽本線で結ぶ特急。秋田と青森のあいだは新幹線が直結していないため、この列車が両県庁所在地の主役
- こまめに停まる「つがる」と、停車駅を絞った速達タイプの「スーパーつがる」があり、合わせて1日数往復
- 4両編成のE751系で、所要はおおよそ2時間半〜3時間弱。弘前・大鰐温泉・大館で途中下車しやすい
つがるは、秋田と青森を奥羽本線で結ぶJR東日本の特急列車です。地図で見るとお隣の県庁所在地どうしですが、新幹線で行こうとすると盛岡まで大回りになります。この記事では、2つのタイプの違いと停車駅、車両、途中下車の楽しみ方を順に解説します。
新幹線が延びるたびに、引っ越してきた列車
「つがる」という名前の歴史は、新幹線の北上とぴったり重なっています。昭和の時代、上野と青森を奥羽本線経由で結ぶ夜行の急行「津軽」があり、東北から首都圏へ働きに出る人々を運んだことから「出世列車」とも呼ばれました。
その名が特急として本格的に動き出したのは、2002年12月に東北新幹線が八戸まで延びたときです。八戸で新幹線から乗り継ぐ人を青森・弘前へ運ぶ特急として「つがる」が登場し、このとき盛岡〜青森の特急で使われていたE751系も活躍しました。ところが2010年12月、新幹線が新青森まで延びると、八戸〜青森の役目は新幹線が引き継ぐことになります。
居場所を失いかけた「つがる」が次に移ったのが、いまの秋田〜青森です。かつて特急「かもしか」などが受け持っていた奥羽本線の北半分を引き継ぎ、新青森で新幹線と接続する役目を得ました。新幹線が延びるたびに仕事場を変え、それでも名前は残ってきた。つがるは、そんな粘り強い列車なのです。
運行会社と運行区間
- 運行会社: JR東日本
- 運行区間: 秋田〜青森(奥羽本線)
- 列車の種類: こまめに停まる「つがる」と、停車駅を絞った速達タイプの「スーパーつがる」
- 運行本数: 秋田〜青森の全区間で1日3往復程度(2026年5月時点の公式案内による。時期により変わる)
- 所要時間: 秋田〜青森おおよそ2時間半〜3時間弱(タイプや列車によって差がある目安)
- 使用車両: E751系電車の4両編成
1日の本数は多くないため、乗る列車を決めてから予定を組むのが基本です。最新の時刻は えきねっと やJR東日本の時刻表でご確認ください。
停車駅 — 「つがる」と「スーパーつがる」の違い
2つの違いは、ほぼ停車駅だけです。2026年5月時点の公式案内による主な停車駅は次のとおりです(全駅ではなく、列車によって異なる場合があります)。
つがる(こまめに停まるタイプ)
秋田 → 八郎潟 → 森岳 → 東能代 → 二ツ井 → 鷹ノ巣 → 大館 → 碇ヶ関 → 大鰐温泉 → 弘前 → 浪岡 → 新青森 → 青森
スーパーつがる(速達タイプ)
秋田 → 東能代 → 鷹ノ巣 → 大館 → 大鰐温泉 → 弘前 → 新青森 → 青森
| 駅 | つがる | スーパーつがる |
|---|---|---|
| 八郎潟・森岳・二ツ井 | 停車 | 通過 |
| 碇ヶ関・浪岡 | 停車 | 通過 |
| 東能代・鷹ノ巣・大館・大鰐温泉・弘前・新青森 | 停車 | 停車 |
観光でよく使う弘前・大鰐温泉・大館・新青森には、どちらも停まります。八郎潟や二ツ井など小さな町で乗り降りしたいときだけ「つがる」を選ぶ、と覚えておけば迷いません。
車両と座席 — 4両のE751系
つがるに使われるE751系は、もともと盛岡〜青森の特急「スーパーはつかり」用に2000年に登場した電車です。いまは4両編成で、秋田〜青森を行き来しています。
| 号車 | 座席 |
|---|---|
| 1号車 | グリーン席(一部)+普通車指定席 |
| 2号車 | 普通車指定席 |
| 3号車・4号車 | 普通車自由席 |
- グリーン席は少なめ: 1両まるごとではなく、1号車の一部だけ。数が限られるので早めの予約が安心
- 自由席がある: 3・4号車が自由席。ただし4両と短いので、連休や帰省シーズン、ねぶた祭りの時期は混みやすい
- 車内販売はない前提で: 飲み物や駅弁は、乗る前に秋田駅・青森駅などで用意しておくのが無難
どんな人に向いている? 新幹線との使い分け
つがるが真価を発揮するのは、次の3つの場面です。
- 秋田 ⇔ 青森・弘前の移動: 新幹線だと盛岡経由の大回りになり、乗り換えも増える。県境をまっすぐ越える奥羽本線のほうが素直
- 新青森で北海道新幹線・東北新幹線と乗り継ぐ: 秋田方面から函館へ向かうときなどに、新青森でつがるから新幹線へ
- 秋田県北部・津軽地方の町めぐり: 大館・鷹ノ巣・弘前・大鰐温泉など、新幹線の通らない町へ直接入れる
一方、東京から秋田・青森へ向かうなら、まずは秋田新幹線こまちや東北新幹線はやぶさが基本です。「東京から新幹線で入り、県境越えはつがる」と組み合わせると、東北の日本海側から津軽までを一筆書きでめぐれます。新幹線側の停車駅ははやぶさ・こまちのガイドで紹介しています。
途中下車したくなる駅
つがるは2時間半ほどの間に、秋田の米どころから県境の峠を越え、りんご畑の津軽へと入っていきます。途中下車の候補を、秋田側から順に挙げます。所要は2026年10月時点の目安です。
- 東能代: 日本海沿いを走る五能線の起点。リゾートしらかみへの乗り換え駅で、木材の町・能代へはここから
- 鷹ノ巣: 秋田内陸縦貫鉄道への乗り換え駅。ご当地の甘いおやつ「バター餅」も知られる
- 大館: きりたんぽ発祥の地を名乗る町で、比内地鶏や曲げわっぱでも知られる。忠犬ハチ公のふるさととしても有名
- 大鰐温泉: 駅のそばに温泉街が広がる、津軽の奥座敷。800年の歴史をうたう古い湯の町
- 弘前: 弘前城と弘前公園(駅からバスで15分前後)は春の桜で全国的に知られる。洋館めぐりやアップルパイの食べ比べも楽しい
- 青森: 駅前に「ねぶたの家 ワ・ラッセ」があり、季節を問わず大型ねぶたを間近で見られる。海鮮ののっけ丼も定番
車窓では、秋田と青森の県境にあたる矢立峠付近の山越えと、弘前の手前から見えてくる岩木山(津軽富士)がハイライトです。岩木山はおおむね進行方向に対して西側に見えるので、青森行きなら左側の席を選ぶと眺めやすくなります(天候や区間によって見え方は変わります)。
予約と乗り方のコツ
- きっぷ: 乗車券+特急券(指定席・自由席・グリーン)。料金は区間と座席によって変わるため、購入時にご確認ください
- 予約: えきねっとや駅の指定席券売機・みどりの窓口で購入できる。新幹線と乗り継ぐ場合は、まとめて手配すると乗り継ぎ時間を確認しやすい
- 本数に注意: 1日数往復なので、1本逃すと数時間待ちになることも。途中下車する場合は、次に乗る列車まで先に決めておく
- 普通列車との組み合わせ: 弘前〜青森、秋田〜東能代などは普通列車も走っている。特急の時間が合わないときの選択肢として覚えておくと便利
次につがるに乗るときは
八戸から新青森、そして秋田へ。新幹線が延びるたびに走る場所は変わっても、「つがる」は津軽の玄関口へ人を運ぶ役目をずっと続けてきました。いまは、新幹線が直結していない秋田と青森をまっすぐ結ぶ、ほかに代わりのいない列車です。
4両の小さな特急が矢立峠を越え、窓の向こうに岩木山が見えてきたら、津軽に入った合図です。かつて上野から夜通し走った急行「津軽」の名を受け継ぐ列車に揺られていると思うと、2時間半の移動が少しだけ物語めいて感じられるはずです。
よくある質問
Q. 秋田から青森へ新幹線で行けますか?
直通する新幹線はありません。新幹線を使う場合は、秋田新幹線で盛岡へ出て東北新幹線に乗り継ぐ大回りになります。秋田〜青森の移動は、奥羽本線をまっすぐ北上する特急つがる・スーパーつがるが基本です。
Q. つがるとスーパーつがるは料金が違いますか?
違いはおもに停車駅で、どちらも同じ区間を走る特急です。特急料金は乗車区間と座席の種類で決まるので、購入時にえきねっと等で確認してください。
Q. 自由席はありますか?
2026年5月時点の公式案内では、3号車・4号車が自由席です。4両編成と短いため、繁忙期は指定席の予約がおすすめです。
Q. 青森行きで岩木山を見るにはどちら側の席がいいですか?
岩木山は弘前の周辺で進行方向の西側に見えるため、青森行きなら左側、秋田行きなら右側の席が目安です。天候によっては見えないこともあります。
関連情報
本ガイドは2026年10月時点の情報をもとに作成しています。 時刻・料金・停車駅などの最新情報は、運行会社の公式サイトをご確認ください。