和倉温泉・能登への鉄道旅|能登かがり火と観光列車「花嫁のれん」で行く七尾・和倉温泉アクセスガイド
💡 まずはここだけ!3つの要点
- 和倉温泉への鉄道旅は、まず金沢まで北陸新幹線で来て、金沢から七尾線の列車に乗り継ぐのが基本。かつての関西からの直通はなくなりました
- 金沢からの最終レグは2択。速くて確実な特急「能登かがり火」と、"走る美術館"こと観光列車「花嫁のれん」。同じ道を、実用で行くか味わって行くかで選べます
- 能登は2024年の地震から復興の途中。宿や観光施設の最新の営業状況を先に確認し、行って泊まること自体が能登への応援になります
七尾湾に面した能登随一の名湯・和倉温泉。「電車で行こう」と地図を開くと、意外と道のりが長くて手が止まります。この記事では、金沢を起点に特急能登かがり火と観光列車「花嫁のれん」を使い分けて、和倉温泉・七尾・能登への旅をどう組み立てるかを整理します。
和倉温泉は「直通を失った名湯」——だから金沢で乗り継ぐ
旅の組み立ては、ひとつの事実を押さえると一気にシンプルになります。かつて和倉温泉へは、大阪から特急サンダーバードが七尾線へ乗り入れ、関西から乗り換えなしで能登の名湯に着けました。ところが2024年春の北陸新幹線・敦賀延伸でサンダーバードは敦賀止まりが基本となり、和倉温泉への直通は姿を消しています。
つまり今の和倉温泉は、「金沢で乗り継いでたどり着く温泉」。東京からでも関西からでも、まずは北陸新幹線などで金沢を目指し、そこから七尾線の列車にバトンを渡すのが基本の形になりました。乗り換えが一つ増えたぶん、旅としては「だんだん能登に近づいていく」実感が濃くなった、とも言えます。そして金沢からの最終レグに、性格の違う2本の列車が用意されているのが、この旅のいちばん面白いところです。
玄関口までの主役:特急「能登かがり火」
金沢から和倉温泉へのいちばんの実用ルートが、JR西日本の特急能登かがり火です。金沢を出るとIRいしかわ鉄道線を津幡まで走り、そこから七尾線に入って羽咋・七尾を経て和倉温泉へ。2015年春の北陸新幹線・金沢開業に合わせて生まれた、まさに「新幹線のバトンを能登へつなぐ」ための特急です。
車両はサンダーバードやしらさぎと同じ683系ファミリー。多くは3両ほどの短い編成で、金沢〜和倉温泉をおおよそ1時間で結びます。運行はおおむね1日5往復ほど(多客期は臨時が増発)と多くはないので、行き帰りの時刻を先に決めておくのが安心。特急券や乗車券は、金沢から通しで買えます。
主な停車駅(金沢 → 和倉温泉)
金沢 → 津幡 → 高松 → 羽咋 → 良川 → 七尾 → 和倉温泉
津幡・高松・良川などは列車によって停まる・停まらないが分かれます。石川県にも「高松」駅があり、四国の高松とは別の駅なので、乗り換え検索のときは取り違えに注意を。金沢〜七尾のみを走る列車もあるので、和倉温泉まで直通するかは列車ごとに確認しておくと確実です。
もう一つの選択肢:観光列車「花嫁のれん」で"走る美術館"に乗る
同じ金沢〜和倉温泉の道を、移動そのものを主役にして味わうのが観光列車「花嫁のれん」です。能登かがり火と同じく2015年に登場した列車で、こちらは急ぐための特急ではなく、乗ること自体が旅の目的になる一本。運転日は主に週末・行楽期などに限られ、全車が指定席(予約制)で走ります。
名前の由来は、加賀・能登に伝わる婚礼の風習「花嫁のれん」。嫁入りの際に持参したのれんを、嫁ぎ先の仏間の入口にかける美しい習わしです。車内は加賀友禅や輪島塗、金沢の金箔を思わせるきらびやかな和の意匠でまとめられ、「走る美術館」と呼ばれるほど。座席でいただける和スイーツや軽食のプラン(要予約)も用意され、1時間ほどの短い区間を、目でも舌でも楽しませてくれます。
実用の能登かがり火に対して、花嫁のれんは「ハレの日の一本」。運転日・運転区間・予約方法は時期によって変わり、能登地域の状況によって設定が見直されることもあるため、乗りたい場合はJRおでかけネット(JR西日本)などで最新の運転日と予約開始日を必ず確認してから、旅の日程を組み立ててください。
最終レグ、どっちに乗る?
金沢からの一区間を、実用の能登かがり火にするか、ハレの花嫁のれんにするか。迷ったときのために、行き方の性格をざっくり並べておきます。
| 最終レグ | 性格 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 特急「能登かがり火」 | 1日5往復ほどで平日も走る実用特急。金沢〜和倉温泉を約1時間で確実に運ぶ | 時間を合わせやすさ重視の人。新幹線から素早くつなぎたい旅の「足」として |
| 観光列車「花嫁のれん」 | 週末・行楽期中心の予約制。加賀・能登の工芸を映した内装と車内スイーツ(要予約) | 移動そのものを楽しみたい人。記念日や、能登旅のハイライトを一本作りたいとき |
| 車・レンタカー/バス | 金沢から自由に動ける。能登島や奥能登まで足をのばすなら機動力が高い | 周遊派・家族連れ。ただし鉄道旅の風情は薄れる |
おすすめは、行きは花嫁のれんで気分を上げ、帰りは能登かがり火で身軽に戻る(あるいはその逆)という組み合わせ。花嫁のれんは運転日が限られるので、まず乗れる日を確認し、その日を旅の軸に据えると計画が立てやすくなります。運転日が合わなければ、無理せず能登かがり火一本でも旅は十分に成り立ちます。
金沢から七尾湾へ——七尾線をたどる走行イメージを地図で見る
能登かがり火や花嫁のれんが金沢からIRいしかわ鉄道線・七尾線を経て和倉温泉へ向かう道のりを、地図上のシミュレーション表示で確認できます。
マップを開く →着いてからの楽しみ:和倉温泉・七尾・能登島
この旅の良さは、金沢から一本で能登の玄関口・和倉温泉まで届き、そこを拠点に能登半島へと広げていけること。終点の和倉温泉はもちろん、途中の七尾や、和倉温泉から橋で渡る能登島にも見どころが点在しています。
- 和倉温泉(和倉温泉駅): 七尾湾を望む能登随一の温泉地。塩分をふくむ湯が特徴で、駅前や温泉街には気軽に立ち寄れる足湯もあります
- 七尾(七尾駅): 能登の中心都市。海の幸が並ぶ能登食祭市場や、日本三大曳山祭のひとつ青柏祭(せいはくさい)で知られる港町。加賀藩ゆかりの歴史も残ります
- 能登島(和倉温泉から車・バス): 能登島大橋で渡る島。イルカにも会えるのとじま水族館やガラス美術館があり、家族連れの日帰り観光にも向きます
- 気多大社(羽咋駅からバス): 縁結びの神様として親しまれる能登一宮。途中下車で立ち寄れば、静かな杜(もり)の空気を味わえます
- 千里浜なぎさドライブウェイ(羽咋エリア): 砂浜を車で走れる全国でも珍しい海岸。時間があれば足をのばしたい能登らしい景色です
2024年の地震と、能登への旅について
能登地域は2024年1月の地震で大きな被害を受け、和倉温泉の旅館の多くも一時休業を余儀なくされました。2026年に入ってからは復旧が進み、和倉温泉でも営業や一部営業を再開する宿が段階的に増えています。名門・加賀屋で新しい館の開業が予定されるなど、少しずつにぎわいが戻りつつあります。
一方で、まだ再開に向けて工事を続けている宿や施設もあり、状況は時期によって変わります。能登への旅を計画するときは、泊まりたい宿や訪れたい観光施設の最新の営業・再開状況を、公式サイトや観光協会・予約サイトで必ず確認してから予定を立てるのがおすすめです。実際に足を運んで泊まり、地元でお金を使うことは、能登の復興を応援する旅にもつながります。無理のない範囲で、名湯を訪ねてみてください。
宿とシーズンは、列車より先に押さえる
能登の旅で計画が崩れるとしたら、原因はたいてい列車ではなく宿です。復興の途中で営業する宿の数がまだ限られる時期もあり、連休や行楽シーズンは人気の宿から順に埋まっていきます。
段取りとしては、まず泊まれる宿を決め、その到着時刻に合う能登かがり火(または運転日の花嫁のれん)を選ぶのが失敗しにくい順番。特急の指定席は、宿ほど極端に取りにくいわけではないためです。海を望む宿か、七尾の街なかに泊まるかでも旅の色は変わるので、楽天トラベルなどで立地と眺め、そして営業・再開状況の相場感を先につかんでから絞り込むと、比較がぐっと楽になります。
まとめ:金沢でバトンを受け取り、能登の海へ
和倉温泉への鉄道旅は、「金沢で乗り継ぐ」という一点さえ押さえてしまえば、驚くほど組み立てやすくなります。
- 行き方の骨組み: 北陸新幹線で金沢へ → 金沢で七尾線の列車に乗り継ぎ → 和倉温泉へ(約1時間)
- 最終レグの2択: 実用と本数なら特急「能登かがり火」、乗ること自体を楽しむなら観光列車「花嫁のれん」(週末中心・予約制・運転日は要確認)
- 段取り: 宿を先に押さえ、列車の時刻を後から合わせる。能登は復興の途中なので、営業状況の確認を旅の第一歩に
金沢で新幹線を降り、七尾線の列車に乗り換えて、邑知潟平野を抜けた先に七尾湾の海が見えてくる。この「ひと手間かかる」道のりそのものが、たどり着いたときの一湯を、より深いものにしてくれます。次に和倉温泉の名前を見かけたら、金沢で受け取るバトンと、走る美術館の一本を思い浮かべてみてください。その段取りを考える時間から、もう能登の旅は始まっています。
よくある質問
Q. 大阪や東京から和倉温泉へは、どう行けばよいですか?
基本は、まず北陸新幹線などで金沢まで来て、金沢で七尾線の特急「能登かがり火」(または運転日の観光列車「花嫁のれん」)に乗り継ぐ形です。かつては大阪から特急サンダーバードで和倉温泉へ直通できましたが、2024年春の北陸新幹線・敦賀延伸以降はその直通がなくなり、金沢での乗り継ぎが基本になっています。金沢での接続時刻は公式の乗換案内でご確認ください。
Q. 「花嫁のれん」には、いつでも乗れますか?
観光列車「花嫁のれん」は、主に週末や行楽期などに運転日を絞って走る予約制の列車です。毎日走る特急「能登かがり火」とは違い、乗りたい日に必ず運転しているとは限りません。運転日・運転区間・予約開始日は時期によって変わるため、JRおでかけネットなどで最新情報を確認し、乗れる日を旅程の軸に据えるのがおすすめです。車内で和スイーツや軽食を楽しむプランは事前予約が必要な場合があります。
Q. 能登の宿や観光施設は、いま営業していますか?
能登地域は2024年の地震から復興の途中で、和倉温泉でも営業を再開する宿が段階的に増えていますが、まだ工事中の施設もあります。営業状況は時期や施設によって異なるため、泊まりたい宿・訪れたい施設の最新情報を、公式サイトや観光協会・予約サイトで必ず確認してから計画を立ててください。
Q. 鉄道を使わずに行くこともできますか?
できます。金沢からレンタカーや路線バスで和倉温泉・能登方面へ向かう方法もあり、能登島や奥能登まで足をのばすなら車の機動力が便利です。鉄道旅の風情を味わいたいなら能登かがり火や花嫁のれん、周遊の自由度を重視するなら車、と目的に合わせて選べます。最新の運行・道路状況は各公式情報でご確認ください。
関連情報
本記事は2026年9月時点の情報をもとに整理したアクセス・旅行プランの解説コラムです。 列車の運行やダイヤ、本数、運転日、バスの接続、料金、温泉・観光施設や宿の営業・再開状況は変更される場合があります。最新情報は各公式サイトでご確認ください。
- 特急「能登かがり火」・観光列車「花嫁のれん」の運行・時刻・きっぷ: JR西日本「JRおでかけネット」
- 和倉温泉の観光・宿: 和倉温泉観光協会
- 七尾・能登の観光: 七尾市観光協会(ななお・なかのとDMO)